妊娠前接種でマラリア予防に新展開—PfSPZワクチンが示す高い保護効果と新戦略
サイエンス出版部 発行書籍
妊娠前接種でマラリアを予防する新戦略—PfSPZワクチンが高い有効性を示す。 米国国立衛生研究所(NIH)支援のもと、マリにおける健康な成人および妊娠を予定している女性を対象とした実験的マラリアワクチンの第1相および第2相試験が行われました。その結果、PfSPZワクチンの3つの試験投与量すべてにおいて、安全性が確認されました。さらに、ワクチン候補は、妊娠を予定していた女性に対してもマラリアからの高い保護効果を示し、2年間にわたって持続することが確認されました。これは、従来のマラリアワクチンには見られなかった持続効果であり、追加のブースター接種を必要としない点で非常に革新的です。 この研究は、2024年8月14日に学術誌Lancet Infectious Diseasesに発表され、論文タイトルは「Safety and Efficacy of PfSPZ Vaccine Against Malaria in Healthy Adults and Women Anticipating Pregnancy in Mali: Two Randomised, Double-Blind, Placebo-Controlled, Phase 1 And 2 Trials(マリにおける健康な成人および妊娠を予定している女性に対するPfSPZワクチンの安全性および有効性:ランダム化二重盲検プラセボ対照第1相および第2相試験)」です。 妊娠期のマラリア予防への新しいアプローチ マラリアはハマダラカ蚊を介して伝播し、プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum:Pf)といった原虫が引き起こします。特に妊婦、乳幼児、そして幼児は生命を脅かされるリスクが高く、妊娠中のマラリア寄生虫感染(マラリア寄生血症)は、アフリカで毎年最大5万人の妊産婦死亡および2
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