先天性免疫の警報システムセンサーを同定

先天性免疫の警報システムセンサーを同定

サイエンス出版部 発行書籍

テキサス大学(UTサウスウェスタン)の研究者らは、DNA感知酵素が小さなバイオリアクターとして作用し、先天性免疫を刺激する分子を作り出す液滴を形成すると報告している。2018年7月5日にScience誌でオンライン公開された。この研究は、感染、自己免疫疾患、および癌に対する新規治療法につながる可能性がある。   ハワード・ヒューズ医学研究所の研究者で、この研究の上席著者であるUTサウスウェスタンの分子生物学教授 Zhijian James Chen博士は、これらの病気3つの共通点は、細胞質として知られている細胞のゲル様の内部にDNAが存在することであると言う。 この研究の筆頭著者は大学院生のMingjian Du氏である。 2012年、Chen博士の研究室では、先天性免疫に対する細胞性警報システムのセンサーとして機能するサイクリックGMP-AMP合成酵素(cGAS)を発見した。人体には2つの免疫系がある。第一は、脅威から身を守る生まれつきの先天性免疫システム。第二は、病原体を根絶するために特殊な免疫細胞を配備する適応免疫システムです。先天性免疫センサーであるcGASは、病原体や自己免疫疾患の場合は自己細胞から、遺伝物質が存在すべきでない細胞領域にDNAが出現すると警報を鳴らす。 Chen博士はまた、酵素cGASによって産生され、先天性免疫応答を引き起こす二次メッセンジャー小分子cGAMPを同定した。今回の研究では、cGASが病原性のDNAに遭遇するとDNAと結合して液滴サイズのマイクロリアクターが形成され、膜が欠損しているにも関わらず保持されることが判明している。この研究では、液滴を液相分離として保持するメカニズムが同定された。これは、サラダドレッシングのボトルを振り混ぜた後、油が酢から分離する方法に似ている。「液滴はマイクロリアクターとして働き、免疫系を活性化する

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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