誰でもできるウイルス感染防御
サイエンス出版部 発行書籍
2020年3月は、文科省管轄下の学校が臨時休校になる騒ぎではじまりました。 このウイルス、ゲノム配列を見てもいまひとつわからないところが多いです。ORFに基づくワクチン設計は既に進めているようですから、そのうち有効なものが出てくると思います。ウイルス感染と抗体に関しては、それほど意外性のあるネタを持ち合わせてないので、今回は番外編です。 私は大学へ異動してから細胞のことを覚え、研究所が改組したときは感染免疫部門に所属していました。そこで誰かから教わったわけでもなく何となく身につけた生活の知恵の一つに、重篤な風邪にかかりにくい方法がありますので紹介します。難しいことが一つも書いてないですが、バカにしてはいけない。意外と皆さんやってないです。ポイントは気になったら即実行。遅れると感染が成立して手遅れです。誰でもできるウイルス感染防御上気道で感染が成立するウイルスに対しては、この部分を温めることによって、初期の段階でウイルスを排除することが可能です。喉がイガイガ、ちょっと罹ったかなと思ったらすぐに、タオルで首をグルグル巻きにして安静、栄養価の高いものを食して暖かくします。保温剤を火傷をしない程度に温めてタオルで巻きつけても良いです。加えてマスク着用も効果的です。上気道は呼吸することによって外気温度の影響を受けやすいので、この部分の温度を高めて、免疫系をはじめとする体の生態防御をはたらきやすくするという意味です。 就寝中にウイルスと身体のバトルが逆転して治ることを期待してお試しください。 普段から首タオルは感染防御のためにはなお良いですが、ファッション的にはいまいちですね。
著者: 大海 忍
このセクションは、元・東京大学医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリ 准教授 大海 忍 先生による抗体入門講座です。
抗体に関する様々な話題や抗体実験で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。
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【大海 忍 先生 ご略歴】
1977年 東京大学理学部物理学科卒業
1978年 聖マリアンナ医科大学研究員
1983年 東京都臨床医学総合研究所 技術員
1987年 東京大学医科学研究所 助手
1992年 東京大学医科学研究所 助教授(准教授) 疾患プロテオミクスラボラトリ
2015年 バイオアソシエイツ株式会社 科学顧問に就任
【主な著書】
抗ペプチド抗体実験プロトコール(秀潤社)
細胞工学連載:ラボラトリーひとくちメモ(秀潤社)
抗ペプチド抗体ベーシック 立体構造情報から抗原を設計する(細胞工学 別冊)