腹壁破裂の赤ちゃんに希望を。現地で製造可能な医療機器「SimpleSilo」の挑戦
生まれてすぐに命の危機に瀕する赤ちゃんがいます。お腹の壁が閉じていない状態で生まれ、腸が体の外に出てしまう「腹壁破裂」という病気です。先進国では助かる命も、医療資源の乏しい地域では、高価な器具が手に入らないために失われがちです。この悲しい現実を変えようと、ライス大学のエンジニアと学生、そして小児外科医たちが立ち上がりました。病院にある身近な材料から生まれた、わずか2ドルの「袋」が、小さな命を救う大きな希望になろうとしています。 医療資源が限られた環境では、腹壁破裂—腹壁の穴を通して発育中の腸が体外に露出する先天性疾患—を持って生まれた赤ちゃんは、生命を脅かす困難に直面します。高所得国では、高度な医療機器と新生児ケアのおかげで生存率が90%を超えていますが、資源に制約のある医療現場の乳児は、依然として高い死亡率に直面しています。その一因は、この状態を治療するために必要な救命器具へのアクセスがないことです。ライス大学のグローバルヘルス技術研究所「Rice360」が率いるエンジニアと小児外科医のチームは、その状況を変えるために取り組んでいます。彼らのイノベーションは、「SimpleSilo」として知られる、シンプルで低コスト、かつ現地で製造可能な医療機器です。これは、腹壁破裂の救命治療を現在の数分の一のコストで提供し、現地で入手可能な材料から作られるように設計されています。 「私たちは、手頃な価格でありながら、デザインをできるだけシンプルで機能的に保つことに重点を置きました」と、ライス大学を最近卒業し、2025年8月号のJournal of Pediatric Surgeryに掲載された本研究の筆頭著者であるヴァンシカ・ジョンサ氏(Vanshika Jhonsa)は述べています。現在UTHealth Houstonの医学生であるジョンサ氏は、このプロジェクトで2023年
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Edited by Michael D. O'Neill

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