癌に対する新しい光線力学療法で成果。光増感剤を用い、マウスで癌細胞の免疫原性細胞死を誘導

癌に対する新しい光線力学療法で成果。光増感剤を用い、マウスで癌細胞の免疫原性細胞死を誘導

サイエンス出版部 発行書籍

世界の科学界は、癌に対して困難かつ長期にわたる戦争を繰り広げている。 免疫原性細胞死の分野における新研究では、薬物の応用分野を拡大でき、治療後の再発から患者を確実に保護しようとしている。 癌治療は、身体からの腫瘍細胞の除去と化学療法だけではなく、腫瘍細胞が増殖して新しい病気を引き起こすことを防ぐシナリオの提供も医師の努めだ。   ロシアのニジニ・ノヴゴロドにあるロバチェフスキー州立大学とベルギーのゲント大学の科学者は、長年に渡り癌治療後の身体への害を最小限に抑えることを目的とした研究に従事しており、癌患者を治療するための新しいアプローチを探してきた。 ロシア科学財団からの助成金により支援され、ロバチェフスキー大学の生物・生物医学研究所の一流研究者でありゲント大学教授のDmitry Krys'ko 博士が率いるこのプロジェクトは、最初の大きな成果をもたらした。Krys'ko教授によると、既存の抗癌療法(化学療法、放射線療法、光線力学療法)は体全体に大きなダメージを与えるが、彼のチームの研究は免疫原性細胞死の刺激を目的としており、 損傷だけでなく、癌との闘いに身体の資源を関与させることにより、治療の有効性も高めるものだ。「この研究では、光線力学的治療に基づいた抗癌治療薬のいくつかをテストし、それらの新しい免疫原性を調べた。癌と戦うために外部の影響が使用されるだけでなく、身体自体も適応免疫応答の反応を誘発することによって癌との戦いに従事すると言うことができる。免疫原性細胞死(ICD:immunogenic cell death)のコンセプトには、癌細胞のプログラム死と、免疫系に危険信号を与える分子の放出が含まれ、治療およびこれらの薬剤の作用を強化した。」とKrys'ko 教授は述べた。 この研究では、in vitroおよびin vivo実験で使用された多くの方法とアプローチ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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