結核から次なるパンデミックまで。科学者たちのチームワークが未来の医療を創る
パンデミックが世界を襲った時、科学者たちはどう立ち向かったのか?その答えの一つが、専門分野の垣根を越えた「協力」です。ロックフェラー大学では、ノーベル賞受賞者が率いる新しい研究所が触媒となり、異分野の研究者たちを結びつけています。化学と遺伝学、物理学と生物学。それぞれの才能が出会う時、感染症との戦いに新たな突破口が開かれます。 今年5月、ロックフェラー大学のキャスパリー講堂のステージに数十人の感染症研究者が登壇した際、彼らが語ったのは、ヒトの免疫応答、ウイルスの生存戦略、あるいは薬剤耐性結核との戦いにおける最近の飛躍的進歩を駆け足で紹介するだけではありませんでした。スタブロス・ニアルコス財団グローバル感染症研究所(SNFiRU: Stavros Niarchos Foundation Institute for Global Infectious Disease Research)の第3回年次シンポジウムで行われたこれらの発表は、卓越した基礎科学のショーケースであると同時に、一つの「招待状」でもあったのです。 「コラボレーションは生物医学研究の鍵であり、このシンポジウムはそれを育むために企画されています」と、ノーベル賞受賞者であり、同研究所の所長でもあるチャールズ・M・ライス氏(Charles M. Rice)は言います。「感染症という広範かつ緊急の課題に取り組むには、あらゆる専門知識を結集する必要があります。」 SNFiRUの中核的な使命は、新たな病原体や持続的な世界的脅威に対する新しい治療法の開発を加速させることです。スタブロス・ニアルコス財団からの革新的な助成金により2023年に設立されたこの研究所は、ロックフェラー大学の研究室のほぼ半数が感染症研究に舵を切ったCOVID-19パンデミック時に生まれた勢いを基盤としています。 ケミカルプロテオミクスを用
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Edited by Michael D. O'Neill

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