生命のON/OFFスイッチ!形を変える「RNAスイッチ」を数百種類発見

生命のON/OFFスイッチ!形を変える「RNAスイッチ」を数百種類発見

遺伝子の情報をコピーして運ぶメッセンジャー。RNAの役割はそれだけだと思っていませんか?実は、RNAはまるで電気のスイッチのように自身の形をカチッと切り替え、生命活動を巧みにON/OFFする「変身能力」を持っていたのです。最新の研究が、この驚くべきRNAスイッチの存在を数百も発見し、新しい治療法への扉を開こうとしています。 RNA分子は、タンパク質をコードする情報を運ぶだけでなく、複雑な二次および三次構造をとることができます。特筆すべきは、同じ一つのRNA分子がONとOFFの構造を切り替えることで、リボソームがRNAに結合してタンパク質へと翻訳する能力を調節できる点です。フローニンゲン大学の分子生物学者であるダニー・インカルナート氏(Danny Incarnato)と、筆頭著者である博士研究員のイワナ・ボロフスカ博士(Dr. Ivana Borovska, PhD)が主導した新しい研究は、大腸菌とヒト細胞において、このような調節機能を持つRNAスイッチを数百種類も特定しました。この研究成果は、2025年7月25日付の「Nature Biotechnology」誌に掲載されました。論文のタイトルは「Identification of Conserved RNA Regulatory Switches in Living Cells Using RNA Secondary Structure Ensemble Mapping and Covariation Analysis(RNA二次構造アンサンブルマッピングと共変動解析を用いた生細胞における保存されたRNA制御スイッチの同定)」です。 数年前、インカルナート氏は生きた細胞内でRNA分子がとる代替的な形状をマッピングする手法を開発しました。この手法を用いて、彼は2つの異なる構造間で形を変えることができるRNAの領域を特

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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