常識を覆すオオカミの子育て!赤ちゃんを運び20km移動する驚きの理由
生まれたばかりの赤ちゃんを抱えて、険しい山道を20km以上も旅する――。人間でも大変なこの旅を、ハイイロオオカミの母親が、まだ目も見えない我が子を口にくわえて決行していることがわかりました。これまでの常識を覆すこの驚くべき行動の裏には、愛する家族を養うための必死の戦略が隠されていました。オオカミの驚異的な適応能力と親子の絆に迫ります。 UCバークレー主導の研究チームが、北極圏外のハイイロオオカミが子育て期に回遊することを初めて観察 ハイイロオオカミの子は、目も見えず、耳も聞こえず、年長者の鋭い嗅覚も持たない、ほぼ無力な状態で生まれます。彼らは通常、生後少なくとも3週間になるまで、安全な巣穴の中に留まります。だからこそ、UCバークレーの生物学者たちは、イエローストーン国立公園近郊のハイイロオオカミが、生まれたばかりの子を連れて、険しい山岳地帯を20キロメートル以上も移動するのを観察して驚いたのです。「オオカミが子を運んでいるカメラトラップの写真を初めて見たとき、思わず笑ってしまいました。だってお尻をくわえられて運ばれているんですから」と、この発見を発表した新しい研究の筆頭著者であるアベリー・ショウラー博士(Avery Shawler, PhD)は語ります。この研究は本日(2025年8月1日)オンラインで学術誌Current Biologyに掲載されました。「じたばたする子供を、お母さんが『はいはい、行くわよ』とばかりに運んでいる様子が目に浮かぶようです。」このオープンアクセスの論文は、「Wolves Use Diverse Tactics to Track Partially Migratory Prey(オオカミは部分的に回遊する獲物を追跡するために多様な戦術を用いる)」と題されています。 ショウラー博士と他の研究者たちは、オオカミがこの危険な旅を行ったのは、彼ら
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Edited by Michael D. O'Neill

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