野生動物の死をハゲワシがAIとともに監視!GAIAの革新的な環境モニタリング技術

野生動物の死をハゲワシがAIとともに監視!GAIAの革新的な環境モニタリング技術

サイエンス出版部 発行書籍

ハイテク環境モニタリングの未来──ハゲワシとAIが野生動物の死を見張る「GAIAイニシアティブ」 カリフォルニア大学リバーサイド校(UC Riverside)の科学者らが主導する「GAIAイニシアティブ」は、環境変化や生態系の異常を早期に検出するための高精度な警報システムの開発を目指す国際的な共同プロジェクトだ。本プロジェクトでは、ライプニッツ動物園野生動物研究所(Leibniz-IZW)、フラウンホーファー統合回路研究所(Fraunhofer IIS)、およびベルリン動物園が協力し、最先端のAIアルゴリズムを開発した。 2024年11月18日、これらの研究成果が学術誌Journal of Applied Ecologyに発表され、論文タイトルは「Death Detector: Using Vultures As Sentinels to Detect Carcasses by Combining Bio-Logging and Machine Learning(死の探知機:バイオロギングと機械学習を組み合わせ、ハゲワシを死骸検知のセンチネルとして活用する)」とされた。 ハゲワシが生態系モニタリングのカギを握る理由とは? 野生動物の死は、生態系のバランスを維持するうえで重要なプロセスだ。捕食者による狩りはもちろんのこと、野生動物の病気、環境汚染、人間による違法な捕殺など、さまざまな要因で動物の死は発生する。そのため、これらの通常の死と異常な死亡ケースを体系的に記録・分析することは、生態系の変化を理解するうえで極めて重要となる。 ここで鍵となるのが、ハゲワシ(Gyps africanus, シロエリハゲワシ)の能力だ。ハゲワシは何百万年もの進化を経て、広大な土地に落ちた死骸を素早く発見する驚異的な視力と、仲間と協力して情報を共有する高度なコミュニケーショ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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