関節リウマチ治療に新たな希望:ナノ粒子が病気の進行を遅らせ、辛い「再燃」を抑制

関節リウマチ治療に新たな希望:ナノ粒子が病気の進行を遅らせ、辛い「再燃」を抑制

関節リウマチ治療に新たな希望:ナノ粒子が病気の進行を遅らせ、辛い「再燃」を抑制する 関節リウマチは、一度発症すると完治が難しい慢性疾患です。そのため、現在の治療は病気の管理と進行の抑制に重点が置かれています。既存の治療法は多くの患者さんで症状をコントロールするのに役立ちますが、病気の発症そのものや、「フレア」と呼ばれる痛みを伴う症状の再燃を防ぐことはできませんでした。 もし、この辛いフレアの重症度を和らげ、病気の進行自体を遅らせることができる新しい治療法が登場したらどうでしょうか。今回、2025年8月6日発行の『ACS Central Science』誌に掲載された研究で、まさにその可能性を秘めたナノ粒子が開発されました。ヒトの血液サンプルと、関節リウマチ様の疾患を持つマウスモデルでの試験結果に基づいています。このオープンアクセスの論文は、「Immunomodulatory Nanoparticles Enable Combination Therapies to Enhance Disease Prevention and Flare Control in Rheumatoid Arthritis(免疫調節ナノ粒子は、関節リウマチにおける疾患予防と再燃制御を強化するための併用療法を可能にする)」と題されています。 関節リウマチ(RA: rheumatoid arthritis)と診断された人の体内では、免疫系が関節を構成する組織を攻撃し、炎症、腫れ、痛みを引き起こします。そして、病気が進行すると、放置すれば深刻な軟骨や骨の損傷につながる可能性があります。アバタセプトなどの疾患修飾性抗リウマチ薬は、疾患の活動性を低下させ、症状の進行を遅らせますが、DMARDsを服用しているほとんどの人は依然として症状のフレアを経験します。また、RAの自己抗体が検出されるものの症状

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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