iPS細胞由来の心筋細胞がサルの心臓に統合—先天性心疾患治療の可能性

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幹細胞由来の心筋細胞が先天性心疾患の治療に新たな可能性—サルでの成功例を報告 ウィスコンシン大学マディソン校とメイヨー・クリニックの研究チームは、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心筋細胞を移植することで、サルの心機能が回復することを確認 した。この研究成果は、先天性心疾患(congenital heart defects)を抱える患者への新たな治療法となる可能性を示している。研究論文は2024年11月2日付 Cell Transplantation に掲載された。 先天性心疾患と右心室機能不全 心疾患はアメリカ人の死因第1位であり、出生時から生じる心疾患(先天性心疾患)も含め、あらゆる年齢層に影響を及ぼす。特に、右心室機能不全(right ventricular dysfunction) は、先天性心疾患を持つ子どもたちによく見られる。 この病態は、胸の痛み、息切れ、動悸、体のむくみを引き起こし、治療せずに放置すると致命的になる可能性がある。ほぼすべての単心室先天性心疾患(特に右心室の異常)を持つ患者は、最終的に心不全に至る。 外科手術によって一時的な修正は可能だが、長期的な解決にはならず、最終的には心臓移植が必要になるケースが多い。しかし、小児患者の心臓ドナーは非常に限られており、新たな治療法の開発が急務となっている。 iPS細胞由来の心筋細胞移植による治療アプローチ ウィスコンシン大学のマリナ・エンボルグ博士(Marina Emborg, MD, PhD)とメイヨー・クリニックのティモシー・ネルソン博士(Timothy Nelson, MD, PhD)の研究チーム は、iPS細胞から作製した心筋細胞を移植し、右心室の機能回復を促進する治療法を検討 した。 「この疾患に対する新たな治療法の開発が求められています」 と語るのは、研究の筆頭著者であり、
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