不明瞭な原因により発達遅延や先天性異常を持つ小児患者12人中7人の診断法を見つけるため、最先端の高速遺伝子シーケンシングが使用された。「 我々は12人の患者から比較的確実な診断法を2つ程手に入れられると思っていました。そしてそれにより不確定ではあるが遺伝的な原因を持つ疾患において、シーケンシング法が有効であることを示すことが可能です。

 

多様な患者の遺伝子解析を行なう方法はこれまで無く、しかも従来の半分の時間で有力な診断を得る事は驚くべきもので、従来の遺伝子診断で結果を得られなかった患者全てのための次世代シーケンシングに新たな道を開くことでしょう。」と、デュークセンター・ヒトゲノムバリエーション分子遺伝学および微生物学教授、デイビッド・ゴールドステイン博士は語る。研究チームはヒトの全ゲノムまたは生理活動を指揮するタンパク質を生産するDNAの一部、エクソームを高速に読み取ることが可能な次世代シーケンシングを使用した。このようなシーケンシングのコストは段々低くなってきており、臨床研究を行うのも可能になって来ている。


本研究は2012年5月8日付けのJournal of Medical Genetics誌に掲載された。「アメリカでは本研究で見られたような発達遅延や知的障害または先天性異常を持つ子供が年間5万人生まれます。これらの子供のほとんどは診断されぬままですが、我々は原因を見つける手助けを組織的に出来るかもしれません。」と、デュークセンター・ヒト遺伝学小児学教授および共同著者、バンダナ・シャシ博士は語る。本研究に関与した家族は、治療不可能または困難な疾患でも診断されることで安心感を示した。「問題の原因を知る事で謎が明らかになり、家族は少しばかり安堵するのです。」と、シャシ博士は語る。シーケンシングツールを使用してより多くの患者を研究すれば、同じまたは類似した遺伝子に変異を持つ患者間の類似性を調べることが出来るため、診断が容易になる、とゴールドステイン博士は述べる。これらは時間と共により多くの診断法を明らかにするであろう、と責任著者、デュークセンター・ヒトゲノムバリエーションのアンナ・ニード博士は述べる。

「本研究患者間の遺伝子バリアントの少なさにも関わらず、その遺伝子変異により他の症状またはその変異を持つ個人の情報が無いため、我々は関連疾患の確たる証拠が持てませんでした。結果が得られなかった患者も、患者のバリアントが他のシーケンシングにより疾患と関連してくれば新しい答えが出るかもしれません。」と、ニード博士は語る。ゴールドステイン博士は本研究の結果は遺伝子カウンセリングにおいても重要であると述べる。例えば、ほとんどの原因はde novo 突然変異と言われる、子供に新しく起きる変異である。その場合、次の妊娠を介してこれが遺伝する可能性は低い。本研究におけるもう一つの教訓は、これらの個人は複数の遺伝子条件を持っているかもしれないという事である。シャシ博士は、小児患者の1人が複数ある症状の内の一つに置いてしか診断されなかったと述べた。

「我々は全ての遺伝的原因を発見することは出来ないかもしれませんが、このような研究の成功率およびそこから学ぶ事はどんどん増えていくばかりです。我々が発見した遺伝子の内2つは、他の研究により疾患と関連していることが分かりました。」と、ニード博士は語る。次世代シーケンシングにより利益を得るかもしれない患者を調べる医者や科学者がいる三次医療センターに大規模な遺伝子データベースを設立することは不可避である、とゴールドステイン博士は述べる。チームはまたゲノミックシーケンシングをし、遺伝子の機能を調べるため生物学的実験でフォローアップする。正しいシステムを有する病院は患者の臨床的特徴を見て、その後患者の細胞を調べるか比較的一般的なタンパク質局在アッセイを行ない、遺伝子機能に関するアイデアを得る。

「これは候補遺伝子用の一般的なフォローアップ・システムであり、三次医療センターで出来ます。しかし受託診断企業は機能テストを行わないため、フォローアップが出来ません。そのため、私はこれが学術研究環境の基底になるべきであると考えているのです。」と、ゴールドステイン教授は説明する。本研究誌の著者は他にもデュークセンター・ヒトゲノムバリエーションのユキ・ヒトミ博士よびケビン・シアナ博士、デューク医療遺伝学小児学科、ケリー・ショシュ博士、および道ガン大学ヒト遺伝学科、ミリアム・H・メスラー博士を含む。

■原著へのリンクは英語版をご覧ください: Next-Gen Sequencing Used at Duke to Aid Difficult Diagnoses

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