網膜血管新生症のアンチセンスオリゴ新薬の候補
サイエンス出版部 発行書籍
血管新生を起因とする疾患の新規的な治療薬を開発しているスイスの企業Gene Signal社が、2012年5月8日、フロリダ州フォート・ローダーデイルで開催された2012 ARVO 年次大会において、脈絡網血管新生症の新薬候補aganirsen(GS-101, 点眼薬)の霊長類モデル試験が、良好な結果を示した事を発表した。Aganirsenの局所投与によって血管新生の成長と漏出を阻害出来る事が、このモデルにおいて確認され、加齢性黄斑変性症(AMD) や虚血性網膜症のようなヒトの脈絡網血管新生症における新薬候補の役割が強調された。 Gene Signal社のaganirsenは、アンチセンス・オリゴヌクレオチドで、2012年には角膜の進行性血管新生症の治療薬としてのフェーズ?試験を完了する予定である。網膜疾患の治験は2012年の第二四半期から開始される。 「この治験では、aganirsenが、血管由来タンパクIRS-1の発現を阻害することによって、網膜における血管新生の形成に対処する機能を有する事を、実証しようとしています。重要なことは、この阻害機能は、正常な血管新生は邪魔しないことなのです。効果的な新たな血管新生阻害剤の要望は、複数の眼疾患に処方し易い事であり、今回の実証データが役に立つと信じています。」と、インフォマティックスを担当しているRxGen社のマシュー・ローレンス博士は注釈する。AganirsenはIRS-1を阻害することによって、病理学的血管新生をブロックする。今日までの治験データでは、進行性角膜血管新生の成長を安全に且つ効果的に抑制することが可能で、更には、角膜移植を必要とする化学熱傷や感染性角膜炎の治療効果も期待できる。「血管新生疾患の局所投与薬は治療方針を根本から変えるものです。これまで処方が困難であった、AMD、虚血性網膜症、そして特定の緑内障
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