革新的肥満治療:脂肪組織への局所ナノ粒子療法

革新的肥満治療:脂肪組織への局所ナノ粒子療法

サイエンス出版部 発行書籍

ナノ粒子を用いた革新的肥満治療法:脂肪組織の炎症緩和と「褐色化」を促進 ロサンゼルスのテラサキ生体医療イノベーション研究所の研究者らは、肥満治療に向けた新しいナノ粒子ベースの治療法を開発しました。 この研究成果は2024年9月29日付のACS Nano誌に「Simvastatin-Loaded Polymeric Nanoparticles: Targeting Inflammatory Macrophages for Local Adipose Tissue Browning in Obesity Treatment(シンバスタチン搭載ポリマー粒子:炎症性マクロファージを標的とした脂肪組織の局所褐色化による肥満治療)」というタイトルで発表されました。この革新的なアプローチは、脂肪組織内の炎症細胞を標的とし、免疫システムを調節して脂肪組織の褐色化を促進します。肥満治療の限界を克服し、世界的な肥満問題に取り組むための新たな道を示しています。 炎症性マクロファージを標的とした新しい治療法 研究を主導したのは、アリレザ・ハッサニ・ナジャファバディ博士( Alireza Hassani Najafabadi, PhD)です。同氏のチームは、シンバスタチンを搭載したPLGAナノ粒子(Sim-NPs)を開発しました。このナノ粒子は脂肪組織に局所的に送達され、炎症緩和やマクロファージの極性調節を強化することが実験で確認されました。 マウスモデル(食事誘発性肥満)を用いた研究では、この治療法が以下の効果を示しました: 強力な抗炎症作用:炎症性マクロファージを抑制脂肪組織の褐色化:白色脂肪細胞をエネルギーを消費しやすい褐色脂肪細胞へ変化体重減少:肥満関連炎症を抑え、白色脂肪の生成を抑制 ナノ粒子治療の利点 ハッサニ・ナジャファバディ博士は、研究の革新性について次のように述

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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