牛乳エクソソームによる遺伝子編集技術の革新

牛乳エクソソームによる遺伝子編集技術の革新

サイエンス出版部 発行書籍

牛乳に含まれる天然ナノ粒子が、遺伝子編集技術の輸送手段として利用できるかもしれないとしたら…!? ネブラスカ大学リンカーン校の研究チームが、遺伝子編集技術を疾患治療に利用するための画期的な方法を提案し、国立衛生研究所(NIH)の競争で第一ラウンドの勝者として選ばれました。分子栄養学のウィラ・キャザー教授であるジャノス・ゼンプレニ博士(Janos Zempleni, PhD)と、化学教授のジアント・グオ博士(Jiantao Guo, PhD)が、この競争のフェーズ1における勝者として選出されました。この競争は3段階にわたり、賞金総額は600万ドルに達します。ネブラスカ大学のチームは、2023年12月に発表された30の初期受賞者の一つです。彼らは25,000ドルの賞金を得て、遺伝子編集者を体内の任意の場所に運ぶことができるユニバーサルな乳エクソソームの開発を進めます。 このプログラム可能なエクソソームは、安全でスケーラブルであり、従来のナノ粒子とは異なり、異物を破壊する免疫系細胞であるマクロファージを回避することができます。 「私たちの技術を使えば、珍しい疾患から一般的な疾患まで、基本的にあらゆる病気を治療できるのです」とプロジェクトを率いるゼンプレニ博士は述べています。「連邦機関は、治療のコストが高いため、少数の人々しか利益を得られない珍しい病気の治療に投資することに消極的です。しかし、私たちの技術の柔軟性を活かせば、追加費用なしで、脳腫瘍のような一般的な病気から、アメリカでたった500人にしか影響を及ぼさない非常に珍しい遺伝子変異まで、すべての病気を治療するためのプラットフォームを提供できます。」 この技術は、遺伝子編集を用いて病気を治療する上で最も重要な課題の一つを克服することを目指しています。CRISPR-cas9のようなツールは、病気を引き起こすDNAを削

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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