褐色脂肪を移植すると心臓発作後の2型糖尿病の危険因子を低減できることがマウスを使った新研究で示された
サイエンス出版部 発行書籍
マウスを使った新しい研究で、褐色脂肪を移植すると心臓発作後の2型糖尿病の危険因子を低減できることが示された。この発見は、いわゆる「良い」脂肪の有益な特性を、健康問題の予防に役立つ医薬品に応用したいと考えている科学者にとって心強いものだ。この研究では、肥満マウスの腹部に褐色脂肪組織を移植することで、軽度の心臓発作後に2型糖尿病の特徴である耐糖能異常を発症するのを防いだ。 また、心臓発作後の悪影響につながる遺伝子の活性化が、移植したマウスでは抑制された。このことから、褐色脂肪組織は体内の他の組織と「対話」し、さまざまな代謝関連プロセスに影響を与えていることが示唆された。研究チームは、このクロストークの背後にある物質やメカニズム、そしてそれが全身の生理機能にどのような影響を及ぼすのかについて、引き続き解明を進めていく予定である。 「今回の研究では、褐色脂肪組織を移植したマウスは、依然として肥満であったが、より代謝的に健康であった。心臓発作による耐糖能異常は、褐色脂肪組織によって否定されたのだ。この研究結果は、かなり強力な主張だ。」「我々は、褐色脂肪が何かを分泌していると考えている。そして、何が分泌されているのかを特定できれば、それを治療対象として狙えるのだ。」と、研究主任のオハイオ州立大学医学部生理学・細胞生物学准教授、Kristin Stanford博士(写真)は述べた。 この研究は、2021年10月29日、International Journal of Obesityのオンライン版に掲載された。オープンアクセス論文は「褐色脂肪組織が高脂肪食マウスの軽症心筋梗塞後の耐糖能異常と心臓リモデリングを抑制する(Brown Adipose Tissue Prevents Glucose Intolerance and Cardiac Remodeling in High-
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