野生チンパンジーの利他行動を発見!仲間の傷を薬草で手当てする姿から探る医療の起源

野生チンパンジーの利他行動を発見!仲間の傷を薬草で手当てする姿から探る医療の起源

森で怪我をしたチンパンジーが、仲間を手当てしていたら…? それは、まるで人間社会の縮図のようであり、私たち自身のルーツを垣間見るような光景かもしれません。ウガンダの森で、科学者たちがチンパンジーの驚くべき行動を観察しました。彼らは自分の傷だけでなく、血の繋がらない仲間の傷までも、まるで「お医者さん」のように手当てしていたのです。この発見は、私たち人間の祖先がどのようにして傷の治療を始め、医療を発展させてきたのか、その進化の謎を解き明かす重要な手がかりとなるかもしれません。 この研究論文は『Frontiers in Ecology and Evolution』誌に掲載され、筆頭著者であるオックスフォード大学のエロディ・フレイマン博士(Elodie Freymann, PhD)は次のように述べています。「私たちの研究は、人間の医療やヘルスケアシステムの進化的ルーツを解明する助けとなります。チンパンジーがどのように薬用植物を特定して利用し、他者をケアするのかを記録することで、人間のヘルスケア行動の認知的・社会的基盤についての洞察を得ることができるのです。」 フレイマン博士は、ご自身のウェブサイトでユニークな経歴を紹介しています。「私はニューヨーク生まれ、ロンドン在住の科学者であり、ストーリーテラーです。2019年、アートディレクターやアシスタントプロデューサーとして働いていた映画業界を離れ、オックスフォード大学で認知・進化人類学の修士課程を始めました。それがとても気に入り、博士課程まで進むことにしたのです。私の研究は、野生のチンパンジーがどのように薬草を使って自己治療するかに焦点を当てています。これは、霊長類学、植物学、社会人類学、映画製作、科学イラスト、そして環境保全といった私自身の興味を結びつけるものでした。ウガンダのブドンゴの森で9ヶ月間生活し、野生チンパンジーの2

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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