北極のMycena菌株、最大のキノコゲノムを持つことが判明
サイエンス出版部 発行書籍
北極に生息する特定のMycena(マイセナ)菌株が、これまでに記載された中で最も大きなキノコのゲノムを持つことが明らかになりました。この発見は、これらのキノコが単に腐生生物として存在しているだけでなく、環境の変化に適応するための多様な遺伝子を持っている可能性を示唆しています。この研究は、2024年6月27日にCell Genomics誌に発表されました。 この研究では、Mycena属の複数のキノコ種のゲノムが予想外に大きいことが報告されました。従来、これらのキノコは死んだ有機物を分解して生活する腐生生物であると考えられていましたが、今回の発見は異なる生活様式に適応するための遺伝子コレクションを持っている可能性を示唆しています。特に、北極に生息する特定のMycena菌株がこれまでに記載された中で最も大きなキノコのゲノムを持つことが示されました。このオープンアクセスの論文は「Extreme Overall Mushroom Genome Expansion in Mycena s.s. Irrespective of Plant Hosts or Substrate Specializations(植物宿主や基質専門性に関係なく、Mycena s.s.における極端な全体的なキノコゲノム拡大)」と題されています。 これらのキノコはゲノム全体で広範な成長を示しています。これは、植物と相互作用したり、炭素を分解したりするのを助ける遺伝子だけでなく、まだ知られていないが重要である可能性のある遺伝子も含まれています。さらに、多くの反復的な非コード要素や、水平遺伝子伝達によって他の無関係な真菌から獲得した遺伝子も含まれています。 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の進化生物学・合成生物学ユニットの共同著者である宮内進悟博士(Shingo Miyauchi, PhD)は、「Myce
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