自己免疫疾患への突破口:cGAS経路が示す治療の可能性
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cGAS酵素の発見により免疫応答の新たな扉を開く:2024年ラスカー基礎医学研究賞を受賞 2024年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞は、外部および自己DNAを感知するcGAS酵素の発見に対して、テキサス大学サウスウェスタン医学センターのチージアン(ジェームズ)・チェン博士(Zhijian "James" Chen, PhD)に授与されました。革新的な思考と卓越した実験によって、チェン博士はDNAがどのようにして免疫および炎症応答を刺激するのかという謎を解明しました。cGASは哺乳類が微生物の侵入者と戦い、抗腫瘍免疫を促進する主要なメカニズムの基盤となる一方で、不適切な活性が自己免疫疾患や炎症性疾患に関与することも明らかにされています。この酵素は、感染症や癌治療を含む幅広い人間の疾患における治療ターゲットとして期待されています。 DNAの役割を超えた発見:細胞質内DNAが警報を発する仕組み 通常、DNAは細胞の核とミトコンドリア内に限定されていますが、それ以外の場所、特に細胞質内に存在するDNAは、微生物の侵入、悪性細胞の存在、または他の病理的プロセスを警告するシグナルとなります。この現象は、1908年にノーベル賞を受賞したイリヤ・メチニコフが初めて言及しましたが、長らくその詳細は不明でした。 2006年、細胞質に二本鎖DNA(dsDNA)が導入されると、インターフェロンβなどの免疫応答分子が急増することが発見されました。この発見を契機に、dsDNAを感知してインターフェロンを産生する経路の解明が競われましたが、真のセンサーを突き止めるには至りませんでした。 cGAS発見への道:画期的な研究 2008年、マイアミ大学と武漢大学の研究者が、インターフェロン産生を制御する重要なタンパク質STINGを発見しましたが、STING自体はDNAを直接感知しません。チェ
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