伝説の化学者が予言した菌類、数十年を経て発見!アサガオと共生する新種が持つ驚きの力

伝説の化学者が予言した菌類、数十年を経て発見!アサガオと共生する新種が持つ驚きの力

伝説の化学者が遺した謎、それは身近なアサガオに隠された「秘密の菌」の存在でした。何十年もの間、世界中の誰もが見つけられなかったその菌を、ある一人の学生が研究室で偶然発見したとしたら――。これは、うつ病やPTSDの治療に光を当てるかもしれない、歴史的な発見の物語です。医薬品開発における革新的な応用の可能性を秘めた発見として、ウェストバージニア大学(WVU)の微生物学を専攻する学生が、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、依存症などの治療に使用される半合成薬LSDと同様の効果を生み出す、長年探し求められてきた菌類(真菌)を発見しました。 オハイオ州デラウェア出身で、環境微生物学を専攻するゴールドウォーター奨学生のコリン・ヘーゼル氏(Corinne Hazel)は、アサガオの植物内で成長するこの新種の菌類を発見し、Periglandula clandestina(ペリグランドゥラ・クランデスティーナ)と名付けました。 ヘーゼル氏がこの発見をしたのは、ウェストバージニア大学デイビス農学・天然資源学部の植物・土壌科学分野でデイビス・マイケル記念教授を務めるダニエル・パナッチョーネ博士(Daniel Panaccione, PhD)の研究室でのことでした。彼女は、アサガオが「麦角(ばっかく)アルカロイド」と呼ばれる保護化学物質を根からどのように分散させるかを研究している最中に、菌類の証拠を見つけました。 「研究室にはたくさんの植物が転がっていて、それらにはとても小さな種子の被膜がありました」と彼女は言います。「その種子の被膜に、ほんの少し毛羽立ったものがあるのに気づいたんです。それが私たちの菌でした」。 研究者たちはDNAサンプルを準備し、ヘーゼル氏が獲得したWVUデイビスカレッジ学生強化助成金によって資金提供されたゲノムシーケンシングに送りました。シーケンシン

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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