血液検査でパーキンソン病の早期発見が可能に:α-シヌクレインの新たなバイオマーカー
サイエンス出版部 発行書籍
パーキンソン病の早期発見に役立つ血液検査の可能性。 これまで、パーキンソン病(PD)は臨床的に診断されてきましたが、その時点では病気の進行がかなり進んでいることが一般的です。そのため、この非常に多い運動障害の診断において、客観的かつ定量的なバイオマーカーを見つけることが急務とされています。今回、研究者たちは、α-シヌクレインタンパク質を検出する血液検査が、パーキンソン病を診断するための侵襲性の低い有効な手段となる初期証拠を見つけました。この研究はJournal of Parkinson’s Diseaseに2024年4月24日付けで発表され、論文タイトルは「Association of Misfolded α-Synuclein Derived from Neuronal Exosomes in Blood with Parkinson’s Disease Diagnosis and Duration(神経細胞由来エクソソームに含まれるミスフォールドα-シヌクレインとパーキンソン病の診断および病気進行の関係)」です。 研究の背景と目的 研究の主導者であるアンニカ・クルーゲ博士(Annika Kluge, MD)およびエヴァ・シェーファー博士(Eva Schaeffer, MD)(ともにドイツ、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン大学病院神経学科、キール大学)によると、「近年、神経細胞内に蓄積する病理学的に重要なタンパク質であるα-シヌクレインが、パーキンソン病患者の体液や組織、例えば脳脊髄液や皮膚組織から検出できることが示されました」とのことです。 前回の研究では、同チームがα-シヌクレインを血液中で検出できることを示し、神経細胞から分離した小さな小胞(神経細胞由来エクソソーム)を血液から取り出し、シード増幅法(SAA)を用いてα-シヌクレインを増幅する方法を開発し
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