腸内のカンジダ菌、定着の鍵は「毒素」だった?日和見感染予防の新たな標的

腸内のカンジダ菌、定着の鍵は「毒素」だった?日和見感染予防の新たな標的

私たちの腸内には、実に8割もの人が「カンジダ菌」というカビの一種を飼っていることをご存知でしたか?普段は大人しくしているこの"同居人"は、何かのきっかけで豹変し、全身で深刻な感染症を引き起こす危険な存在になることがあります。 では、この「寝た子」をどうすれば起こさずに済むのでしょうか? ベイラー医科大学の研究チームが、カンジダ菌が私たちの腸に住み着くために使う、意外な「武器」を発見しました。驚くべきことに、病気を引き起こすはずの毒素こそが、腸内に定着するために不可欠だったのです。この常識を覆す発見の全貌に迫ります。 約80%の人々の腸内には、真菌であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)が存在しています。ほとんどの場合、この菌は何年もの間気づかれることなく潜伏し、健康上の問題を引き起こしません。しかし、カンジダ・アルビカンスは、尿路、肺、脳を含む多くの臓器で深刻な疾患を引き起こす危険な微生物に豹変することがあります。この真菌がどのようにして腸内に定着するのかを理解することは、それが有害になるのを防ぐための鍵となります。 ベイラー医科大学の研究者と海外の共同研究者たちは、マウスモデルを用いた研究で、カンジダ・アルビカンスが腸内に定着し、持続するのを助ける予想外の要因を発見しました。この発見は、真菌と腸の相互作用に関する私たちの知識を広げ、定着を減らすための潜在的な解決策を提供するものです。この研究は、2025年7月30日付の『Microbiology Spectrum』誌に掲載されました。このオープンアクセスの論文は、「Commensal Colonization of Candida albicans in the Mouse Gastrointestinal Tract Is Mediated Via Expression of Cand

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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