漢方薬でラットの脊椎負傷回復が向上
サイエンス出版部 発行書籍
2013年6月12日付オンライン版Restorative Neurology and Neuroscienceに掲載された新しい研究論文は、ラットに脊髄負傷後3週間にわたって漢方薬の脊髄康 (Jisuikang、JSK) を与えた結果、運動機能が改善され、組織損傷が軽減され、さらには対照グループのラットと比較しても神経細胞の構造が保たれていたと報告している。 さらに論文では、JSKがまず炎症を抑え、細胞のアポトーシスと死滅を減らし、局部的な酸素供給を増大させ、その後は機能を回復させ、組織再生を促進することを示すデータも掲載している。漢方薬は伝統的に様々な病気に用いられてきたが、その効能というのも事例証拠というべきものであり、現代の医薬のような対照比較試験で導き出されたものではない。オンタリオ州ハミルトン所在のMcMaster University、Hamilton NeuroRestorative Groupの主任、Shucui Jiang, M.D., Ph.D.は、この研究の共同筆頭研究者を務めており、「漢方薬医のいくつかの事例報告では、JSKという新しい漢方薬配合での治療を1週間ないし3か月続けることで機能回復が向上したとしている。 私たちの今手がけている研究では、JSK研究を続けるために重要かつ必須な基礎固めをしている」と述べている。また、ラットは脊椎損傷を受けた直後からJSKによる治療を始めた。試験開始後7日足らずで、JSK治療ラットは、食塩水だけを与えたラットに比べると後肢運動機能がめざましく改善された。21日間の試験期間中もJSKを投与したラットは対照グループのラットに比べると常に運動機能が優っており、四肢は体重を支えることができるようだったし、連係動作も優っていた。損傷後7日目に研究者が脊椎組織サンプルを調べたところ、JSKを投与したラットでは脊椎
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