痛みの激しい遺伝性皮膚疾患の新薬の第III相試験で良好な結果
サイエンス出版部 発行書籍
18日の総会での二番目のアブストラクト・プレゼンテーションは、erythropoietic protoporphyria (EPP) または一般に「popcorn ichthyosis」と呼ばれる、耐えられないほどの痛みを伴う、ごくまれな常染色体劣性遺伝性皮膚疾患の新治療薬が第III相試験で良好な結果が出たという報告だった。発表は、ニューヨーク市所在Mount Sinai School of Medicine, Genetics and GenomicsのDeanを務めるRobert J. Desnick, M.D., Ph.D.が行った。 遺伝性のこの疾患は、皮膚が光にきわめて敏感になり、光にさらすと耐えられない痛みや腫れを引き起こし、通常光にさらされやすい顔、手足などに傷跡を残す。EPP患者は皮膚が光にさらされた時の痛みは耐えられないほどだと訴えている。 Dr. Desnickは、「現在のところ、効果的な治療法はなく、陽光を避けることが唯一の対策で、そのため、患者は日光を避けて歩く『shadow jumpers』と呼ばれている。現在、この疾患の治療薬として試験を受けているのはafamelonatideで、これは、メラニン形成によって皮膚の色素沈着を起こし、紫外線にさらされる皮膚を太陽光 (UV) による損傷から守る天然の メラノコルチン・ ペプチド・ホルモン・ アルファメラニン細胞刺激ホルモン (α-MSH) の人工合成物で、予備研究や臨床治験で効果が示された。治験では、この薬剤を16mgの皮下生体吸収インプラントの形で投与した。Dr. Desnickは、この薬剤の第III相試験で、薬剤の投与を受けたEPP患者では、太陽光を浴びて痛みを感じるまでの時間がかなり伸び、かつ皮膚がんの危険も抑えられたことが示されと報告している。EPP治療薬afamelonatide
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