高分解能LC-MS/MSにより得られたプロダクトイオンスペクトル解析時の注意点-1
サイエンス出版部 発行書籍
こんにちは。質量分析屋の高橋です。 前回に引き続き、高分解能LC-MS/MSに関するネタです。今回は、問題形式にしてみました。試料の内容に余り依らず、未知成分の同定や構造推定には、GC/MSにしろLC/MSにしろ、高分解能MS/MSが有効です。 プリカーサーイオンのみならず、MS/MSにより取得されるプロダクトイオン(プリカーサーイオンが開裂して生成するイオン)の精密質量情報が得られ、組成推定が可能だからです。 最近の高分解能MS/MSが可能なLC-MSはとても性能が良いですが、得られるデータの全てを信頼できるかというと、必ずしもそうではありません。 下の図は、ある化合物を正のESI-LC-MS/MSで測定した時の、マススペクトルとm/z 355をプリカーサーイオンとしたプロダクトイオンスペクトルです。 このプロダクトイオンスペクトル、“チョッとおかしいな?”というところがあるのですが、お分かりになるでしょうか? ご興味あれば考えてみて下さい。正解は、暫くしたらまたブログに書いてみます。
FFPE組織サンプル 深層ショットガンプロテオーム解析 受託サービス
イメージング質量分析 受託サービス
4600万以上の化合物から検索して購入/オリジナルライブラリーの構築に:AMBINTER 化合物データベース
microPAC ナノLC キャピラリーLC用カラム
イオン対試薬用ソルナックチューブ LC/MS用オンライン脱塩チューブ
医学系国際学会における英語ポスター発表をサポートします 。
著者: 髙橋 豊
このセクションは、質量分析に関する技術コンサルティングを提供するエムエス・ソリューションズ株式会社 髙橋 豊 氏によるLC-MS講座です。
バイオ研究者向けにLC-MSに関する様々な話題やLC-MSの操作で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。
全文を読むにはログインしてください。(登録無料)
髙橋氏への質問も各記事ページ下のコメント欄から投稿できます。
【髙橋 豊 氏 ご略歴】
1987年3月 国立群馬工業高等専門学校卒業
1990年3月 群馬大学大学院工学研究科修士課程修了
1990年4月 日本電子株式会社入社 応用研究センターMSG研究員
2002年4月 NEDOマイクロ化学プロセス技術研究組合出向
2005年4月 解出向 同社開発本部研究員
2008年4月 横浜国立大学客員教授(~2009年3月)
2010年6月 日本電子株式会社退職
2010年8月 エムエス・ソリューションズ株式会社設立、代表取締役
2011年4月 横浜市立大学非常勤講師
2019年2月 株式会社プレッパーズ(浜松医科大学発ベンチャー)設立 代表取締役社長
【主な著書】
LC/MS定量分析入門(情報機構)
液クロ虎の巻シリーズ(丸善)
分析試料前処理ハンドブック(丸善)
液クロ実験 How to マニュアル(医学評論社)
LC/MS, LC/MS/MSの基礎と応用(オーム社)
現代質量分析学(化学同人)
【受賞歴】
2004年 日本質量分析学会奨励賞
【資格】
日本分析化学会認証 LC分析士二段、LC/MS分析士五段
【趣味】
トライアスロン、マラソン、ウルトラマラソン、ソフトボール、テニス、スキー(全日本スキー連盟指導員)、サッカー審判員(3級)