私たちの体をコントロールする「ホルモン」の全貌が明らかに!

日々の体調の変化や代謝、心のバランスまで、私たちの体の中で起こるさまざまな生理機能をコントロールしている「ホルモン」 。これらは一体どの細胞で作られ、どこへ届けられているのでしょうか? 今回、世界的な科学雑誌『Science』に、人間の内分泌系(ホルモンシステム)を驚くべき解像度で描き出した「ホルモン細胞アトラス」に関する最新の研究成果が発表されました 。

ホルモン細胞アトラスが細胞レベルの解像度でヒト内分泌系をマッピング

ホルモンは、組織や器官を越えて作用し、生理機能を調整する役割を担っています 。国際的な共同研究プロジェクトであるヒト細胞アトラス(Human Cell Atlas)からインスピレーションを得て、リジアン・フェイ(Lijiang Fei)博士 、イザベル・ホアン=ドラン(Isabel Huang-Doran)博士 、そしてアイ・サダフ・ファルーキ(I Sadaf Farooqi)博士 らの研究チームは、47のヒト組織にわたる1,400万個の単一細胞および単一細胞核からなるトランスクリプトームデータセットにおいて、379種類のホルモンおよび受容体遺伝子の発現を解析しました 。

研究チームは、解析ツールである「hormone2cell」を用いることで、ホルモンを産生していると推定される細胞タイプと、それらを受け取る細胞タイプをマッピングし、組織特異的、あるいは組織横断的な内分泌シグネチャーを定義することに成功しました 。

今回の研究では、プラズマサイトイド樹状細胞(plasmacytoid dendritic cells)におけるセクレチンの発現など、従来は知られていなかった非古典的な部位でのホルモン発現が予測されました 。さらに、収束的なホルモン作用や内分泌フィードバックループを推論したほか、単一遺伝子性の内分泌疾患に関与する細胞集団を特定しました 。

また、複数の脂肪組織データセットを組織横断的に統合した解析では、脂肪の蓄積部位(デポ)ごと、脂肪細胞のサブタイプ内、そして脂肪細胞への分化過程における、ダイナミックな内分泌プログラムの存在が明らかになりました 。

これらの成果をまとめた「「A Hormone Cell Atlas maps the human endocrine system at cellular resolution(ホルモン細胞アトラス:細胞解像度で描くヒト内分泌システムのマップ)」」 は、健康や病気におけるホルモンの影響を詳細に解き明かすための、包括的な基盤(hormonecellatlas.org.uk)を提供するものです 。

https://www.science.org/doi/10.1126/science.aeb2672

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