複雑な2型糖尿病や肥満の症状の解明
サイエンス出版部 発行書籍
ASHG 2014年年次会議でのプレゼンテーションの一つに、2型糖尿病や肥満という複雑な身体症状を、それらを引き起こす特定の代謝タンパクや代謝活動にまで還元することで、新しい方向からこれらの症状に関連する遺伝子やその相互関係を研究する道が開けることが提示された。筆頭著者を務めたThe University of Texas Health Science Center at Houston (UT Health) School of Public HealthのJennifer E. Below, Ph.D.は、「そのような症状を引き起こす特定のタンパク質やそのタンパク質をエンコードしている遺伝子を研究することで、正しく機能しない代謝過程を直接標的とする新薬を開発することができる」と説明している。 Dr. Belowは、「事実、タンパク質レベルで同じ過程に影響を与えるような遺伝子が相乗りで複数の特質に影響していることもある」と述べている。Baylor College of Medicine、Harvard Medical School、University of Chicagoの研究者と共同研究するDr. Belowは、たとえば人体の日周期を調整する遺伝子は眠りの質を左右しているが同時に糖尿病のリスクにもかかわっていることを突き止めた。同じように、免疫系機能や細胞間の相互作用にかかわっているタンパク質のグループは心臓の健康にもかかわっていることも突き止められている。Dr. Belowは、「このような発見は、各解析結果を個々に切り離して取り扱うのではなく遺伝子の影響をグループとして捉える重要さを示している。特質は孤立して現れるものではなく、互いにつながっており、影響し合っている。遺伝子解析でそのことを認識しておく利点は大きい」と述べている。 研究チームは、テキサス州S
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