LEROY HOOD

2017.03.27
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長年、生物学とバイオテック・エンジニアリングの分野で発明の才と先見の明を知られたDr. Hoodは、最近には将来の医薬、特にP4医療 (predictive [予測]、preventive [予防]、personalized [個別化]、participatory [患者参加]) の分野での活動のプレゼンテーションを行った。

Dr. Hoodは、「How Scientific Wellness Will Transform Healthcare (科学的ウエルネスが如何にしてヘルスケアのあり方を変えるか)」と題したプレゼンテーションで、彼自身の会社、Institute for Systems Biology (ISB) が、健康な社会を実現するため、西部7州で医療を行う米国内第3位の規模の医療団体であるProvidence St. Joseph Healthと提携し、同団体の患者に個別化医療を導入するまでの過程を概説した。

 

Dr. Hoodは、新興企業のArivaleとプロジェクトを開始した。そのプロジェクトでは、Providentの社員2,000人が定期的な健康コーチの指導を含む新しい「科学的ウエルネス」治療を受け、Arivale社は3年をかけてその2,000人のデータの分析を続け、標準的な療法を与えられたProvidentの社員2,000人のデータと比較する作業を行うことになっていると語った。

Dr. Hoodは、個別患者の「綿密で常時更新される個人データ・クラウド」を利用することで、健康を増進し、健康寿命を引き延ばすための基幹的な改善をもたらす「actionable possibilities」を割り出すことができるだろう、という考えを語った。 その原理の正しさの証明として、Dr. Hoodは、2014年の100 Person Wellness Project(HPWP)の「革命的」な成果を例に挙げた。これはISBが2014年に開始し、2015年に完了した試験的プロジェクトだった。このプロジェクトでは、108人の患者を対象とした研究に基づき、患者の健康を目的とするシステム生物学とP4医療の適用を行っている。

Dr. Hoodは、「このプロジェクトは、そのアイデアとしても技術としてもヘルスケアの実際を根本的に変える真の転換点に達したという意味で非常にめざましいことだった」と述べている。

HPWPを進めていたISB研究グループは、もっと広く、様々な人々にさらに効果的にさらに経済効率の高い健康メトリクスを提供するにはISBが科学的ウエルネスの会社を創設する必要があると考えるようになっていた。その結果、2015年6月22日、Arivale社が生まれた。ISBのPresident、Dr. HoodとAssociate DirectorのDr. Nathan Priceが共同設立者になった。

Arivaleに関する詳しい情報。 Dr. Hoodは、将来にはISB、Providence、Arivale3社の協力でこの分野の発展があり、それによっていくつもの画期的な開発が行われるだろうと予想している。その中には、大規模な医療機関でP4医療が広く採用されること、綿密で常時更新される個人データ・クラウドを利用して、健康を増進し、疾患を減らすこと、健康を最大限に増進するためにactionable possibilitiesを突き止めること、科学的ウエルネス産業を創出すること、などがあり、それによって、医療コストが大幅に削減され、究極的には、おそらく10年以内に、科学的ウエルネスを低開発国にも広めることが可能になり、医療を真に「民主化」することができると語っている。

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Michael D. O'Neill
APEX Award Winner
Edited by

Michael D. O'Neill

サイエンスライターとして30年以上の経験を持つ独立系科学ニュース編集者。世界160カ国以上に読者を持つ「バイオクイックニュース」を通じ、生命科学・医学研究の最前線をタイムリーに発信しています。