ケート・ミドルトンのつわりにかかわる遺伝が解明されるか、腎多嚢胞病 (PKD) との関係を示唆
サイエンス出版部 発行書籍
ウィリアム王子の妻で幼いジョージ王子の母親であるケート・ミドルトンが悩まされた妊娠悪阻 (HG) はかなり激しいつわりの症状であり、妊娠全体の0.3%から2%程度で起きている。UCLA, David Geffen School of Medicineの血液学-腫瘍学assistant researcherでKeck School of Medicine of USCの母体胎児医学准教授を務めるMarlena Fejzo, Ph.D.と同僚研究チームが、この妊娠悪阻に関わる遺伝的な経路を突き止めている。 HG は、重症の体重減少、電解質平衡異常、ケトン尿症などの原因となり、60年前には妊娠女性の10%がHGが原因で死亡しており、現在でもアメリカでは毎年22万5,000人が入院し、HGを患った妊娠女性の15%が治療的流産を選んでいる。 またHGはウェルニッケ脳症, 腎不全, 肝機能異常, 食道破裂, 心理的外傷後ストレス障害などの疾患の母体罹病率にも影響している。HGは遺伝も関係していると考えられてきたが、これまで決定的な証拠となる研究結果はなかった。Fejzoの研究チームはHGの家系5家族と470人を超える対照群のエクソーム・シーケンシングを実施し、 PKD1、腎多嚢胞病1 (人間の常染色体優性遺伝性腎多嚢胞病の85%に関係)、PKHD1 (腎多嚢胞病・肝臓病1、人間の常染色体劣性遺伝性腎多嚢胞病と肝臓病1に関係)、LAMA5 (ラミニンα5、マウスのこの遺伝子のハイポモルフィック変異は腎多嚢胞病を引き起こすことが裏付けられている) という3種の腎多嚢胞病遺伝子がHG家系では変異体を取っているのに対して、対照群ではそのような変異が認められなかった。通常、この3種の遺伝子は尿細管の増殖、分化、発達に関わっている。ASHG2014年年次会議で同研究チームはその研究をポス
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