EVによる生体分子移動の多様性
サイエンス出版部 発行書籍
スタンフォード大学医学部博士研究員、金田正光博士(PhD)は、エキソソームとMVは構造も機能も異なるものであることを発表した。この結果が確証され、認められれば、現時点ではまだ謎の多い本問題に光を指すこととなるであろう。金田博士はまず、エキソソームのサイズは40nmから300nmであることに対し、MVのサイズは90nmから600nmであることを指摘した。
また、両小胞は積量や表面電位においても異なることが説明された。MVの殆どがホスファチジルセリン(PS)を外面化するのに対し、エキソソームでは僅か10%ほどしかされない。両ベシクルとも受容細胞によって取り込まれるが、細胞内でルシフェラーゼ発現を誘発するのはMVだけである。MVはプラスミドDNAを受容細胞に送ることによってこれを可能にしているのではないか、と金田博士は考えている。エキソソームは機能上、mRNAを被包するが核酸は運ばないのに対し、MVはmRNAとcAMP応答配列発現pDNAの両方を被包しDNAだけを運ぶ。金田博士の研究からは、MVはインビボとインビトロの両方でcAMP応答配列発現pDNAを機能的に運搬することを示すデータも見られた。
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill