多価イオンの電荷数の求め

分析目的と質量分析計の種類について-3:質量分析部(QTOF & Orbitrap)編

分析目的と質量分析計の種類について-3:質量分析部(飛行時間)編

分析目的と質量分析計の種類について-3:質量分析部(イオントラップ)編

分析目的と質量分析計の種類について-2:イオン化編

分析目的と質量分析計の種類について-1

LCMSで観測されるバックグランドイオン-3

LCMSで観測されるバックグランドイオン-2

バックグランドイオン-1

マススペクトル解析に知っていると役立つマスディフェクト値について-1

偶数電子イオンのフラグメンテーション-3:マスシフト則(±0と+2)の例

偶数電子イオンのフラグメンテーション-2:電荷移動の考え方
質量分析屋の髙橋です。前回の記事に引き続き、LC/MS/MSによるプロダクトイオン分析で見られるフラグメンテーションについて解説します。今回は、偶数電子イオンのフラグメンテーション-2というタイトルにしていますが、恐らくは偶数電子イオンに特化したものではなく、LC/MS/MSで用いられる開裂法である低エネルギーCIDにおけるフラグメンテーションの考え方になります。偶数電子イオンのフラグメンテーション-1
質量分析屋の髙橋です。質量分析計特にGCやLCとのハイフネーション装置であるGC-MSやLC-MSは、現在定量分析に多く用いられています。しかし質量分析は、元々は定性分析のための機器分析法であり、そのためにはマススペクトル特にフラグメントイオンの解析は重要です。ESIにおけるイオン化抑制について
質量分析屋の髙橋です。以前書いたエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI)におけるイオン化抑制に関する記事について、「エネルギー供給を絶たれた帯電液滴」からのイオン生成プロセスが、イオン化抑制の原因になると言う解説をしました。今回はその続編、以前の解説を補足する記事を書いてみます。山梨大学の平岡先生が開発された「探針エレクトロスプレー」という技術があります。そのイオン生成機構が、そのまま前回解説の補足になります。探針エレクトロスプレーは、英語ではprobe electrospray ionizationとなり、PESIと略されます。PESIについては、平岡先生の総説1)をご参照ください。ESIは、コンベンショナルからナノまで、サイズによって量は大きく変わりますが、キャピラリー先端部分では試料溶液は連続流体として供給されています。一方PESIは、探針の先端に試料溶液を付着させ高電圧を印加する事で、探針の先端に形成されたテイラーコーンから直接イオンが生成するイメージです。コンベンショナルESI、ナノESI、PESIの比較と、PESIに用いた探針先端のSEM画像を図1に示します。また、PESIの構造と動作の様子を図2に示します。プロトン移動を伴うイオン化におけるイオン化抑制現象
質量分析屋の髙橋です。以前の投稿で、エレクトロスプレーイオン化(ESI)において起こるイオン化抑制について解説しました。 ESIで他のイオン化法に比べてイオン化抑制が顕著に起こるのは、エネルギー供給が絶たれた帯電液滴からのイオン生成プロセスに原因の一旦があります。MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語(3)
質量分析屋の髙橋です。今回は、MS/MS(タンデム質量分析)の動作や用語その3、プリカーサーイオンスキャンについてです。プリカーサーイオンスキャンは、特定のプロダクトイオンを生成するプリカーサーイオンを検出するMS/MSの測定法です。MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語(2)
質量分析屋の髙橋です。前回、MS/MSの種類を5つ挙げ、その中のプロダクトイオン分析について解説しました。プロダクトイオン分析は、未知化合物等の定性に用いられますが、今日は、プロダクトイオン分析と装置の動作原理は非常に似ていて、定量分析に用いられる選択反応モニタリング(selected reaction monitoring, SRM)について解説します。SRMは、分析現場においては、殆どはQqQ-MSを用いて行われる手法です。原理的には、Sector-MSやIT-MSにおいても実行可能です。ここでは、主にQqQ-MSによるSRMについて、その動作や用語について整理してみたいと思います。MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語(1)
質量分析屋の髙橋です。今日は、LC/MSの定性(定量)分析に用いられる(LC/MSに限ったことではないが)、MS/MS(タンデム質量分析)について解説します。 MS/MSは、日本質量分析学会が発刊しているマススペクトロメトリー関係用語集によれば、以下の様に定義されています1)。 「一段目の質量分析においてプリカーサーイオン(前駆イオン)を選択し、イオンを解離させた後に二段目の質量分析でそのプロダクトイオンのm/z分離を行い検出する技法、およびそれらの結果を利用する研究分野。タンデム質量分析と同義語。LC/MSやGC/MSで得られるクロマトグラムの種類
質量分析屋の高橋です。暫く投稿をサボってしまい、大変失礼しました。今回は、LC/MSやGC/MSにおいて、マススペクトルを取得するモードで測定した時に得られるクロマトグラムの種類について説明します。添付した図は、上から(a)TICC, (b)BPIC, (c)高強度のバックを除いたm/z範囲で作成したクロマトグラム、(d)ある成分イオンのm/z値を設定した抽出イオンクロマトグラム、を示しています。試料は天然物の抽出液です。LC-MSイオン導入細孔の電圧設定と付加イオン強度との関係
質量分析屋の高橋です。以前のブログで、イオン導入細孔の設定電圧とマススペクトルパターンの変化について書きました。イオン導入細孔は、ESIやAPCIなどの大気圧イオン源において、大気圧で生成したイオンが真空領域に入っていく時に最初に通過する細孔です。図1をご参照下さい。LC-MSにおけるイオン導入細孔の電圧設定とマススペクトルパターンについて
質量分析屋の高橋です。 前回、LC-MSに用いられているESIやAPCIのイオン源において、イオン取導入細孔の電圧設定について解説する記事を書きました。LC-MSイオン導入細孔の電圧設定
質量分析屋の高橋です。お仕事でLC-MSをお使いの方で、イオン導入細孔の電圧設定を意識しておられる方はどれ位いらっしゃるでしょうか?イオン導入細孔は、ESIやAPCIなどの大気圧イオン源において、大気圧で生成したイオンが真空領域に入っていく時に最初に通過する細孔です。マススペクトル解析に知っていると役立つマスディフェクト値について
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。2020年最初の話題です。お仕事で質量分析に携わっている皆さんは、マスディフェクト値と言う用語を知っていますか。マスディフェクト値とは、日本質量分析学会が発刊しているマススペクトロメトリー関係用語集では、“ノミナル質量からモノアイソトピック質量を差し引いた値”と定義されています1)。LC-MSを用いた直接試料導入法
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。LC-MSを用いて何かの試料を分析する際、試料をLCカラムで分離させずに直接試料をMSに導入する方法には、インフュージョンとフローインジェクションの2種類が用いられます。インフュージョンは、試料溶液をシリンジポンプによって連続的にMSに導入する方法で、マスキャリブレーションを行う時はこの試料導入法が用いられます。マススペクトルを得るための測定モードは必ずしもスキャンではない!
質量分析屋の髙橋です!今回から、質量分析計本体について、色々と書いてみたいと思います。現在最も普及している質量分析計は、GC/MS, LC/MS, その他全て合わせても、四重極質量分析計(quadrupole mass spectrometer, Q-MS)でしょう。Q-MSの動作原理は、様々な書籍で紹介されているのでご存知の方が多いと思いますが、簡単に解説します。LC/MSで観測される可塑剤由来のバックグランドイオン
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。LC/MSでは様々なバックグランドイオンが観測されます。正イオンESIで、m/z 391や413のバックグランドイオンを見た事がある人は多いと思います。この2つのイオンは、同じ物質由来です。正体は、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)です。通称DOP。分子式はC24H38O4、ノミナル質量は390、モノアイソトピック質量は390.2770です。ESIで起こるマトリックス効果(イオン化抑制)について
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。LC/MSで汎用的に用いられているイオン化法はESIですが、ESIの大きな問題はマトリックス効果特にイオン化抑制が起こり易い事です。ここでは、、“ESIでイオン化抑制が何故起こるのか”について解説したいと思います。因みに、この内容の多くは、山梨大学の平岡先生から教えて頂いたことです。LC/MS/MSのData Dependent Acquisitionにおける多価イオン設定に関する注意点
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。プロテオミクスの研究者の中には、LC/MS/MSのData Dependent Acquisition(DDA)の機能を使ってプロダクトイオンを取得し、タンパク質の同定を行っている方が沢山いらっしゃると思います。分子量にも依りますが、ペプチドの多くはESIにおいて多価イオンを生成するために、DDAの設定で“多価イオンのみをプリカーサーイオンとして選択する”機能を使う場合が殆どです。LC/MSでブランク試料を測定した時に現れる夾雑ピークについて
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。前回投稿した“LC/MSにおける試料調製や前処理で重要なポイント”について、この記事の後半で描いている“ブランク試料のTICクロマトグラムで観測されたピークは、必ずしもブランク試料由来ではない可能性がある”について、今回は他の可能性を考えて見たいと思います。経験上、二つの可能性があると思います。LC/MSにおける試料調製や前処理で重要なポイント
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。LC/MSにおける試料調製や前処理として何をするか?は、試料の内容によって異なります。“溶解”、“ろ過”、“遠心分離”、“固相抽出”、“溶媒抽出”、“除タンパク”、などなど。LC/MSに供される試料は液体ですから、何等かの溶媒は必ずと言っていい程頻繁に使います。そして、溶媒を扱う時のピペッターや容器。エレクトロスプレーでイオン化できる化合物は?
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。LC/MSのイオン化法として代表的な2法、エレクトロスプレーイオン化法(electrospray ionization, ESI)と大気圧化学イオン化法(atmospheric pressure chemical ionization, APCI)、以下の図のような基準での使い分けが一般的です。質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:ESI編その1、イオン源の変遷
こんにちは。質量分析屋の髙橋です。これまで、“質量分析計による測定の基本はイオン化にある”というテーマで種々のイオン化について書いてきました。今回から複数回にわたって、現在LC/MSで汎用的に用いられているエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionizatio, ESI)について書いてみます。ESIの開発によって、LC-MSは実用的な装置になりましたが、エレクトロスプレー(ES)イオン源が最初からLC-MSに用いられていた訳ではありません。マススペクトル取得モードについて
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。ここしばらく、イオン化法について解説を書いてきましたが、今回はマススペクトル取得モードについて書いてみたいと思います。質量分析計をお使いの皆さんは、マススペクトル取得モードについて意識されたことはあるでしょうか?質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:IA編
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。 以前から何度か書いていますが、質量分析計による測定の基本は、第一に化合物に適したイオン化を選択することです。 揮発性(加熱して気化する性質)化合物に適したイオン化として、先ずは電子イオン化(electron ionization, EI)、そしてEIでは分子イオン(分子から電子が1つ取れたイオン)が得られず、分子内の結合が切れて断片化イオン(フラグメントイオン)が観測されてしまう場合には化学イオン化(chemical ionization, CI)が有効であると解説しました。質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:Frit-FAB編
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。2018年も引き続き宜しくお願いします。今年最初の記事は前回の続き、FABイオン化を用いたLC-MSインターフェースであるFrit-FABについて書いてみます。Frit-FAについては、以下の3つのブログでかなり詳しく書いています。質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:FAB編
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。最近3回に亘ってイオン化について書いています。EI, CI, FDに続いて今回はFAB。質量分析はイオンを分析する方法なので、何か測定したい試料(その中の特定の成分)がある時、先ずはそれをイオン化しなければマススペクトルを得ることが出来ないので、質量分析の基本は、先ずはイオン化な訳です。質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:FD編
こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。前々回、前回で、揮発性化合物の分析に有効なイオン化法として、EIとCIについて述べました。EIとCIは揮発性化合物に有効なので、通常GC/MSに用いられます。 このコラムはLC/MSが中心なのに何故GC/MSのイオン化について書くのか?質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:CI編

質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:EI編

高分解能MS/MSにより得られたプロダクトイオンスペクトル解析時の注意点-2
こんにちは。質量分析屋の高橋です。前回の関連投稿で、以下に示すプロダクトイオンスペクトルでおかしいと思う点についての疑問点を投げておきました。今回はその解説をします。高分解能LC-MS/MSにより得られたプロダクトイオンスペクトル解析時の注意点-1

高分解能質量分析計を用いたLC/MS(/MS) によるマススペクトル取得の注意点

高分解能質量分析計を使えば必ず高い質量確度で精密質量測定ができる訳ではない!
こんにちは! 質量分析屋の高橋です。前回、高分解能質量分析計で得られたマススペクトルにおいては、イオンのm/z値を小数点以下3桁ないし4桁のレベルで測定することができ、イオン種が分かれば元の分子の精密質量が得られるので、分子の元素組成を推測することができることを説明しました。質量分解能と分子の質量・分子量の関係
こんにちは! 質量分析屋の高橋です。前回、マススペクトルから得られるのは、基本的には分子の質量情報であって分子量情報ではないことを解説しました。今回は、マススペクトルから分子量情報が得られる場合もあることを、質量分解能(mass resolving power)との関係において解説します。MSで得られる質量情報について
こんにちは。質量分析屋の高橋です。二回目の「マススペクトルから何がわかる?」で、“質量分析では分子の質量情報が得られる”と書きました。“質量分析で得られるのは分子量情報ではないのか?”と思われる方がいると思うので、“分子の質量”と“分子量”の違いについて確認してみたいと思います。マススペクトルから何がわかる?

質量分析計におけるキャリブレーションの重要性
こんにちは。質量分析屋の高橋です!初回は、質量分析計(MS装置)におけるキャリブレーションの話です。 MS装置のキャリブレーションとは、MSで得られるマススペクトルの横軸(m/z、mはイオンの質量、zは電荷数)を補正する操作です。 正確にはマスキャリブレーション、日本語では質量校正と言います。
Ab-Capcher
Ab-Capcherの特徴 ラット抗体精製・マウス抗体精製に最適なAb-Capcherは、プロテノバ社の特許技術により開発された抗体結合タンパク質 Protein A-R28 を多点で高密度に固定化した抗体精製用高性能プロテインAアガロースビーズです。 高性能プロテインA アガロースビーズ Ab-Capcherは、従来の抗体精製プロテインAレジンでは限定された適応抗体生物種やプロテインGレジンの結合量の低さと言った問題点を一挙に解決しました。 高性能プロテインA アガロースビーズ…
iPS細胞由来分化細胞による多様な細胞分化アッセイサービス
神経細胞の機能評価モデル(Ca 2+ アッセイ、電気生理) 研究者は神経細胞の機能的特性を正確に評価する手段を求めています。従来の方法では、神経細胞の微細な変化を捉えるのが難しい場合があります。 リコーグループのサービスでは、iPS細胞から分化した神経細胞を用いて、Ca2+アッセイと電気生理学的手法を提供します。これにより、細胞の反応性や信号伝達の過程をより詳細に理解することができます。…