分析目的と質量分析計の種類について-2:イオン化編

分析目的と質量分析計の種類について-2:イオン化編

質量分析屋の髙橋です。
前回に引き続き、分析目的と質量分析計の種類について書いてみます。今回は、予告通りイオン化にフォーカスします。つまり、どんな分析の時にどのイオン化を使うのが良いか、という内容です。
本論に入る前の前提として、イオン化は試料導入法と密接に関係している事を知っておく必要があります。例えば電子イオン化(electron ionization, EI)は、直接試料導入やGCを介する試料導入(GC/MS)には使えますが、LC/MSには現在は使えません(以前はLC/MSに用いるEIが市販されていたが)。また、LC/MSに用いられているエレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI)や大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionization, APCI)は、GC/MSには一般的には使えません(GC/MSにAPCIを組み合わせた装置を販売しているメーカーはある)。


つまり、最初に書いた事をひっくり返すようで恐縮ですが、分析目的に応じてイオン化を選択するというよりは、先ずは試料導入法を選択してその上でイオン化法を選択する、と言う事になります。試料導入に関しては、前回の記事を参考にしてください。
今回は、各試料導入について、どのイオン化を選択すれば良いか、について解説していきます。

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