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タンパク質同定法(1)
プロテオミクス研究は探索から機能解析へ
2010年01月12日
最初にエドマン分解を利用したプロテインシークエンサーによるタンパク質同定法について述べたい。プロテインシークエンサーではN末端のαアミノ基をPITCで修飾することからエドマン分解が始まるので、N末端αアミノ基がフリーでなければならない。プロテインシークエンサーではタンパク質を電気泳動後にPVDF膜に転写できれば、10ピコモル程度でN末端から10残基程度のアミノ酸配列を決定することは比較的容易である。
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タンパク質同定法(2)
プロテオミクス研究は探索から機能解析へ
2010年01月12日
質量分析によるタンパク質同定は、これまでのプロテインシークエンサーによる同定の世界を大きく変えることになった。例えば、プロテインシークエンサーでは1ピコモルのN末端ブロックタンパク質の配列を決定するために、これまでに多くの技術開発を行ってきた。質量分析ではそれほどの経験がなくてもフェムトモルレベルのタンパク質をN末端のブロックに関係なく同定することが可能である。
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タンパク質同定法(3)
プロテオミクス研究は探索から機能解析へ
2010年01月12日
質量分析ではPMFとは別にMS/MSによるタンパク質同定がよく行われる。原理については、成書を参考にしていただき、ここでは同定のための注意点やコツについて述べたい。よく使われているシステムにTOF/TOFとLC-MS/MSがある。TOF/TOFはMALDIシステムであるので、装置は高いが操作が簡便でハイスループット化も容易であり、PMFとMS/MSを組み合わせることができる。
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タンパク質同定法(4)
プロテオミクス研究は探索から機能解析へ
2010年01月12日
以上のように質量分析によるタンパク質同定は、自動化されて機械的に結果がでてくるので注意が必要である。分析者が直接データを確認して最終的な判断をしたほうがよい。また、質の高い結果を得るためには、サンプル前処理にも気を使う必要がある。泳動後のゲル片を還元アルキル化することで得られるペプチド数が増加するので、質量分析によるタンパク質同定には好ましい前処理である。βメルカプトエタノールなどの還元剤でサンプルを処理した場合、泳動されたタンパク質のシステイン残基はゲル中のアクリルアミドモノマーが付加されることが多い。
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バイオマーカー探索
プロテオミクス研究は探索から機能解析へ
2010年01月12日
プロテオミクス、即ちタンパク質の網羅的な解析を実施する目的は研究分野により異なるが、一義的には発現しているすべてのタンパク質の発現カタログ作りである。さらには発現変動、翻訳後修飾とその変動、タンパク質間相互作用などを明らかにして個々のタンパク質の役割を理解するとともに分子間ネットワークの構築から生命現象を解明することにある。
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著者:真島 英司
プロテノバ株式会社
代表取締役
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