2017年ノーベル生理学医学賞は、概日リズムを制御する分子の発見に授与

2017
12月 21
(木)
15:30
タンパク質/糖鎖研究のライフサイエンスニュース

2017年ノーベル生理学医学賞は、概日リズムを制御する分子の発見に授与

2017年10月2日、Karolinska InstitutetのNobel Assemblyは、2017年ノーベル生理学医学賞を「概日リズムを制御する分子的仕組みを発見」したJeffrey C. Hall、Michael Rosbash、Michael W. Youngの3氏に授与すると決定した。Jeffrey C. Hallは、1945年、アメリカのニューヨーク生まれ。1971年にワシントン州シアトル市のUniversity of Washingtonから博士号を授与され、1971年から1973年までカリフォルニア州パサディナ市のCalifornia Institute of Technologyでポスドク研究員の地位にあった。1974年にマサチューセッツ州ウォルサム市のBrandeis Universityに移籍。2002年にはUniversity of Maineのassociatedになっている。

Michael Rosbashは、1944年、アメリカのカンザス・シティ生まれ。1970年にケンブリッジ市のMassachusetts Institute of Technologyから博士号を授与されている。その後の3年間、ポスドク研究員としてスコットランドのUniversity of Edinburghに所属していた。1974年以来ウォルサム市のBrandeis Universityの教授会メンバー。Michael W. Youngは、1949年、アメリカのマイアミ市生まれ。1975年にオースチン市のUniversity of Texasから博士号を授与されている。1975年から77年まで、カリフォルニア州パロ・アルト市のStanford Universityでポスドク研究員の地位にあった。1978年以来、ニューヨーク市のRockefeller Universityの教授会メンバー。

地球の生物は地球の自転に適応している。人間を含めた生物が体内に生体時計を持っており、それによって1日の規則正しいリズムを把握し、適応していることは長年知られていた。しかし、この生体時計が実際にどのように機能しているのかについてはほとんど知られていなかった。

Dr. Hall、Dr. Rosbash、Dr. Youngの3人は、生体時計の内部を調べ、その仕組みを解明した。3人のこの発見により、植物、動物、人間が生体リズムを地球の自転と同期させる仕組みが説明づけられた。3人は、モデル生物としてミバエを用い、日常的な生体リズムを制御する遺伝子の分離に成功したのである。
その研究で発見された遺伝子のエンコードするタンパク質は夜には細胞内に蓄積され、昼には分解されるようになっていた。3人はさらにこの機構の一部分になっているタンパク質も突き止め、細胞内で自律運転する時計を調整するメカニズムを解明したのである。
現在では、人間を含め、他の多細胞生物の細胞でも同じ原理による生体時計が機能していることが知られている。
体内時計はその絶妙な正確さで私達の生理を一日の間に大きく変化する条件に適応させている。この時計は、生物の行動、ホルモン量、睡眠、体温、新陳代謝など重要な生理機能を調節しているのである。

たとえば飛行機でいくつかの時間帯を越えて移動した場合に「ジェット・ラグ」を経験するように、外的環境と内的な生体時計との間で一時的に不一致が生じると体調が損なわれる。そればかりでなく、私達のライフスタイルと体内時計のリズムの間に慢性的な不一致があると様々な疾患のリスクが増すことも示されている。

 

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