
中分子化合物の阻害対象はプロテインープロテイン相互作用部位であることは今までの話の中で何度か説明してきました。そこで、創薬にはプロテインープロテイン相互作用部位の解明が不可欠になります。プロテインープロテイン相互作用部位はシグナル伝達に関与している場は弱い相互作用であり、また機能に関与している場合は強い相互作用であると考えています。
その相互作用部位の解明には立体構造解析が必要です。しかし、立体構造解析に一般的に用いられるX線解析は、相互作用が弱い場合は結晶になりにくく、また相互作用が強い場合は分子量が大きい過ぎるためどちらかのプロテインの分子量を小さくする必要があり、相互作用部位の解明には不向きです。強い相互作用のプロテインープロテイン相互作用部位の解明には、最近クライオ電子顕微鏡が用いられることが多いようです。
ところが中分子創薬の場合、シグナル伝達に関与しているプロテインープロテイン相互作用部位を創薬ターゲットにする場合が多く、その場合は相互作用が弱いので部位の解明にX線解析もクライオ電子顕微鏡も用い...
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