創薬研究の課題とトレンドを語るコラム 「中分子創薬開発において有望な化合物ライブラリーはあるの?」 - 創薬よ何処へ

中分子創薬開発において有望な化合物ライブラリーはあるの?


トップ  >  中分子創薬開発において有望な化合物ライブラリーはあるの?

  著者:  作成:2019/8/27 11:00:52

中山 登

創薬開発において有望な中分子有機化合物は以前にも紹介しましたが、下記の図の様に2011年のJACSにAroraらが紹介したサイクリックペプタイド、ペプチドミメティックや天然物ライク化合物と考えられます。

 これらの中分子有機化合物は合成品としては殆ど存在しておらず、天然物の中に多く含まれており、微生物、植物や昆虫などの生命機能などにかかわっている化合物が多いと考えられています。
 しかしながら、これまでも何回か述べてきましたが、今までの天然物の創薬探索においては低分子有機化合物のスクリーニングが主流で、中分子有機化合物はいらないとされ、分子量1000以上の化合物は排除されてきたために現存する中分子有機化合物のライブラリーで公開されているものはありません。
 多分今存在する中分子有機化合物のライブラリーはペプチドドリーム社のものだけではないでしょうか。それは、2016年ごろから合成でサイクリックペプタイドのライブラリーを作ることが考えられ、その先駆けがサイクリックペプタイドのライブラリーを構築したペプチドドリーム社です。ペプチドドリーム社はサイクリックペプタイドのライブラリーを売っているのではなく、自...

 

続きを読む
ログインしてください
  •      

この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

投票数:11平均点:5.45
  • はじめまして。中山登です。
    はじめまして。バイオシス・テクノロジーズの中山登です。 もう中外製薬を退職して2年以上になりますが、未だに「ロシュ・中外の中山さん」とよく言われ、こちらの元の所属の方が皆さん良くご存知のようです。さて…続きを読む (2016-10-12)  
  • 創薬よ何処へ
    日本ロシュから鎌倉研究所に日本電子の質量分析装置のD-300が納入されるのでその日から出社して欲しいと連絡があり、昭和56年6月にD-300と一緒に入社することになりました。ただ、念願だったFABイ…続きを読む (2016-11-9)  
  • 医薬品開発の現状と個別化医療とは
    それでは、本題の「創薬よ何処へ」に入りましょう。そこで初めは創薬研究現状と個別化医療などについて少し考えてみたいと思います。 近年創薬の分野は、以前から行われてきた低分子医薬、1990年後半から盛ん…続きを読む (2016-11-24)  
  • 臨床現場と医薬品開発との間の大きな谷をどうするか?
    前回述べたように現症診断にまだ多くを頼っている臨床の現場と、ゲノムから解析されたバイオメカニズムを用いターゲットを予想して科学的に開発された医薬品の間に、まだまだ大きな谷があって、そこを科学的に結び…続きを読む (2016-12-7)  
  • 動的ネットワークバイオシステム
    東京大学生産技術研究所の会原幸一先生らは臨床バイオマーカーで正常(健康)状態と異常(疾病)状態の違いを定量的に示すことができるため、癌、心臓病、糖尿病などの診断において広く使われていますが、従来の静…続きを読む (2017-1-12)  
  • 個別化医療と創薬(1)
      久しぶりですが、皆様良いお年をお迎え頂けたでしょうか?  今回は個別化医療と創薬に焦点を絞って話したいと思います。   病気の原因や病態について近年遺伝子やプ…続きを読む (2018-1-31)  
  • 個別化医療と創薬(2)
    今回は最近盛んになっている抗体や免疫製剤における診断マーカーの重要性について話したいと思います。 例えば夢の抗がん剤と言われた癌免疫治療薬のオブジーボでも、効果のある患者は2~3割であるが、診断…続きを読む (2018-2-15)  
  • 診断マーカーと医薬品の選択
    実際には遺伝子の変異やプロテインなどの分子の構成や感度のパターンの違いにより様々なタイプの患者がいることが最近わかってきています。そこで、病気に合った遺伝子診断やプロテイン診断などの科学的な診断を臨…続きを読む (2018-5-17)  
  • プロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が最近話題
    最近、プロテインープロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が話題になっていますが、小職のところにも中分子創薬のセミナーをしてくださいとの依頼がありました。そこで、先日「中分子医薬品の基礎/最新動向を踏…続きを読む (2018-7-3)  
  • 最近の創薬企業の現状と中分子創薬の重要性
     随分、長い間ご無沙汰しておりすみませんでした。昨年に中分子創薬が話題になっているので詳しく説明しますと言いました。しかし、最近の日本の創薬企業はここの研究よりも各社の創薬研究の方向性をどの様にするか…続きを読む (2019-3-12)  
  • 中分子有機化合物は医薬品になるのだろうか
    今回から中分子創薬の詳細について話すことにします。内容としては先ず多くの創薬研究者が思う、「中分子有機化合物は本当に医薬品になるのだろうか?」との疑問に対する話から始めて、創薬に応用可能な中分子のラ…続きを読む (2019-4-18)  
  • 中分子創薬開発において有望な化合物ライブラリーはあるの?
    創薬開発において有望な中分子有機化合物は以前にも紹介しましたが、下記の図の様に2011年のJACSにAroraらが紹介したサイクリックペプタイド、ペプチドミメティックや天然物ライク化合物と考えられま…続きを読む (2019-8-26)  
  •   »  中分子創薬開発において有望な化合物ライブラリーはあるの?(2019-8-27)

おすすめ製品・サービス

構造多様な480の生物活性低分子有機化合物を厳選/機能性化粧品・医薬外品向けバルク供給も可能 Greenpharma天然有機化合物ライブラリーは、Greenpharma社のケモインフォマティクス・医薬品化学・生薬学の専門知識を駆使して作製された、多様で純粋な天然物由来の低分子有機化合物ライブラリーです。 Greenpharma社が保有するデータベースには、約15万種の天然有機化合物の構造が集積されており、化学的に多様な生物活性化合物のサブセットを選抜しました。 この中には、アミノ酸、ペプチド、核酸、長鎖脂肪、金属は含まれていません。より多くの異なるフィトケミカルファミリーが含まれるように厳選されています。もっと読む
次世代シーケンシングによる免疫レパートリーの配列決定 次世代シーケンシングは、免疫レパートリーのV領域(またはV(D)J配列)をパラレルに数百万の塩基配列決定を可能にしますが、次世代シーケンサーの多くは配列のread-lengthに限界があります。 そこでiRepertoire社では、様々なread-lengthに対応したヒト・マウス免疫細胞のCDR3領域をカバーするマルチプレックスPCRプライマーセットを供給しています。もっと読む
次世代シーケンスによる融合遺伝子の検出 疾患関連融合遺伝子の数は増加の一途を辿り、その同定には次世代シーケンサー(NGS)を用いることが現実的になってきています。 しかし、一般的なライブラリ調製法では、偽陰性が生じる、大量のサンプルが必要、新規の融合を容易に検出できない、といった問題があります。 ArcherDX社では、NGS用試薬生産のノウハウに、斬新なターゲット増幅と世界レベルのシーケンス解析の技術を組み合わせ、Archerアッセイ、ワークフロー、解析プログラムを開発しました。 このアッセイは、独自のAnchored Mulitiplex PCR (AMP) を利用してターゲットエンリッチメントを行うことで、がんの発生や進行を司る様々な融合遺伝子やその他の遺伝子再構成を検出するためのライブラリを調製します。 Archer FusionPlexアッセ ...もっと読む
創薬よ何処へ:読者コメント
運営会社:バイオアソシエイツ株式会社
創薬よ何処へ
  • 中山 登
    株式会社バイオシス・テクノロジーズ 取締役&CTO(元・中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長)中山 登 氏による創薬研究コラム

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ
  •      

登録ユーザー数
3300人
2019年09月15日 現在
新メンバー
Chisa7 2019/9/13
Yamashit 2019/9/13
SFmito 2019/9/12
airisai 2019/9/10
jameslin 2019/9/6
naokioom 2019/9/6
kobayash 2019/9/5
Seicho 2019/9/3
ももんが 2019/9/3
YOOOO 2019/8/30
ヤケ 2019/8/29
uhipp8 2019/8/28
WYWOYAMA 2019/8/27
i.biostr 2019/8/27
rhara 2019/8/27
36 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが 創薬よ何処へ を参照しています。)
登録ユーザ: 0 ゲスト: 36
BioQuick ニュース

BioQuick Newsは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中の生命科学関連のニュース・トピックスをタイムリーにお届けします。BioQuick Newsは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

抗体よもやま話
質量分析屋のネタ帳

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
バイオマーケットjpのコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。引用される場合は出典元リンクの記載をお願いします。