
久しぶりですが、皆様良いお年をお迎え頂けたでしょうか?
今回は個別化医療と創薬に焦点を絞って話したいと思います。
病気の原因や病態について近年遺伝子やプロテインなどの分子レベルでの解明が進んで、同じ病気と診断された患者でも、実際には遺伝子の変異やプロテインなどの分子の違いにより様々なタイプの患者がいることが最近わかってきています。そこで、病気に合った遺伝子診断やプロテイン診断などの科学的な診断を臨床現場に取り入れ、各疾患の状態に則して患者を層別し、層別データを元に個々の患者に最適な医薬品を提供することが個別化医療なのです。
現在市販されている医薬品も本当に患者個人にあったものが適用されているかも疑問なところがあります。その一例として、臨床現場での2型糖尿病のある患者と医者の話を以前に説明しましたが、今の医療現場では試行錯誤しながら薬を選んでいるのが実情です。個別化医療で重要になってきているのが、患者を科学的に層別し、最適の薬を選べるゲノムやプロテインなどの診断マーカーの必要性なのです。以前を話した様に、癌の領域では他病気の領域よりも診断...