創薬研究の課題とトレンドを語るコラム 「創薬リード化合物の探索(Screening)」 - 創薬よ何処へ

創薬リード化合物の探索(Screening)


トップ  >  創薬リード化合物の探索(Screening)

  著者:  作成:2017/5/10 17:00:37

中山 登

ターゲットバリデーションより見つけられた創薬標的プロテインを用いて創薬リード化合物の探索(Screening)を行います。その場合低分子医薬か、抗体医薬か、プロテイン-プロテインインターラクション(PPI)を阻害するようなサイクリックペプタイドのような中分子医薬か、更に最近話題になっている免疫阻害剤のどのリード化合物を探索するかは、その標的プロテインの機能から判断する必要があります。


今回は私が長年行ってきた低分子・中分子創薬の創薬リード化合物のScreeningを中心に、その今後について考えてみます。 最近の創薬の傾向は長年行われて来た低分子創薬は時代遅れで、これからは抗体・免疫阻害剤の時代だと考える人も多いようですが、臨床試料を用いたゲノム解析やプロテオーム解析から新たな創薬標的が探索される可能性は高く、そこでは低分子創薬がまだまだ必要になっていると考えます。但し、今までの低分子創薬のScreeningのように、大量の低分子化合物についてロボットを用いたハイスクールプット(HT)Screeningでランダムに探索することは少なくなっていくと考えます。


それは、前回のターゲットバリデーションでお話しした標的プロテインの機...

 

続きを読む
ログインしてください
  •      

この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

投票数:39平均点:5.64
  • はじめまして。中山登です。
    はじめまして。バイオシス・テクノロジーズの中山登です。 もう中外製薬を退職して2年以上になりますが、未だに「ロシュ・中外の中山さん」とよく言われ、こちらの元の所属の方が皆さん良くご存知のようです。さて…続きを読む (2016-10-12)  
  • 創薬よ何処へ
    日本ロシュから鎌倉研究所に日本電子の質量分析装置のD-300が納入されるのでその日から出社して欲しいと連絡があり、昭和56年6月にD-300と一緒に入社することになりました。ただ、念願だったFABイ…続きを読む (2016-11-9)  
  • 医薬品開発の現状と個別化医療とは
    それでは、本題の「創薬よ何処へ」に入りましょう。そこで初めは創薬研究現状と個別化医療などについて少し考えてみたいと思います。 近年創薬の分野は、以前から行われてきた低分子医薬、1990年後半から盛ん…続きを読む (2016-11-24)  
  • 臨床現場と医薬品開発との間の大きな谷をどうするか?
    前回述べたように現症診断にまだ多くを頼っている臨床の現場と、ゲノムから解析されたバイオメカニズムを用いターゲットを予想して科学的に開発された医薬品の間に、まだまだ大きな谷があって、そこを科学的に結び…続きを読む (2016-12-7)  
  • 動的ネットワークバイオシステム
    東京大学生産技術研究所の会原幸一先生らは臨床バイオマーカーで正常(健康)状態と異常(疾病)状態の違いを定量的に示すことができるため、癌、心臓病、糖尿病などの診断において広く使われていますが、従来の静…続きを読む (2017-1-12)  
  • 個別化医療と創薬(1)
      久しぶりですが、皆様良いお年をお迎え頂けたでしょうか?  今回は個別化医療と創薬に焦点を絞って話したいと思います。   病気の原因や病態について近年遺伝子やプ…続きを読む (2018-1-31)  
  • 個別化医療と創薬(2)
    今回は最近盛んになっている抗体や免疫製剤における診断マーカーの重要性について話したいと思います。 例えば夢の抗がん剤と言われた癌免疫治療薬のオブジーボでも、効果のある患者は2~3割であるが、診断…続きを読む (2018-2-15)  
  • 診断マーカーと医薬品の選択
    実際には遺伝子の変異やプロテインなどの分子の構成や感度のパターンの違いにより様々なタイプの患者がいることが最近わかってきています。そこで、病気に合った遺伝子診断やプロテイン診断などの科学的な診断を臨…続きを読む (2018-5-17)  
  • プロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が最近話題
    最近、プロテインープロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が話題になっていますが、小職のところにも中分子創薬のセミナーをしてくださいとの依頼がありました。そこで、先日「中分子医薬品の基礎/最新動向を踏…続きを読む (2018-7-3)  
  • 最近の創薬企業の現状と中分子創薬の重要性
     随分、長い間ご無沙汰しておりすみませんでした。昨年に中分子創薬が話題になっているので詳しく説明しますと言いました。しかし、最近の日本の創薬企業はここの研究よりも各社の創薬研究の方向性をどの様にするか…続きを読む (2019-3-12)  

おすすめ製品・サービス

MALDI、DESI、イオンモビリティー、高分解能質量分析を融合した高精度・高空間分解能分子イメージング 生理学と細胞機能をより理解し、組織または生体全体における薬剤の分布をモニター、可視化する目的で、ウォーターズでは、MALDI、DESI、イオンモビリティー、高分解能質量分析の技術の長所を融合しました。 空間分解能に優れ、質量分析イメージングとして実績の高いマトリックス支援レーザー脱離イオン化によるMALDIイメージング。マトリックスの塗布が不要で、同一のサンプルを異なる空間分解能や異なる極性で複数回測定が可能な脱離エレクトロスプレーイオン化によるDESIイメージング。 さらに独自のイオンモビリティー分離により選択性、同定信頼性を向上させる質量分析計と、質量分析イメージングのワークフローをすべて ...もっと読む
非特異的吸着によるペプチドおよびタンパク質の損失を防ぐ サンプルの損失を招く可能性のある化合物と表面の相互作用を最小限に抑えることで、化合物の回収率、感度、および再現性を向上させるように開発された新しい革新的なテクノロジーMaxPeak High Performance Surfaces(HPS)を採用しています。 非特異的結合とイオン性相互作用によるサンプルロスを減らすことにより、LC-MSによるペプチドおよびタンパク質定量における回収率、感度および再現性の要件を高いレベルで達成可能にします。これにより分析結果に対する信頼性が高まり、長期アッセイの再現性を改善します。 特にLC-MSを使用する分析者向けに、少量のサンプルをより効率的に使用できるように、最小残存量が少ないオートサンプラーに対応した設計です。もっと読む
ビオチン化タンパク質を10分で簡単に精製できるスピンカラムです。 従来のストレプトアビジンと同様の強固な結合は保持しつつ、ビオチンを添加するだけで簡単にアガロースビーズからビオチン化タンパク質を溶出できます。もっと読む
創薬よ何処へ:読者コメント
運営会社:バイオアソシエイツ株式会社
創薬よ何処へ
  • 中山 登
    株式会社バイオシス・テクノロジーズ 取締役&CTO(元・中外製薬株式会社研究本部化学部分析グループ長)中山 登 氏による創薬研究コラム

にほんブログ村 病気ブログ 薬学へ

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
バイオマーケットjpのコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。引用される場合は出典元リンクの記載をお願いします。

  •      

登録ユーザー数
3355人
2019年12月12日 現在
新メンバー
BLINK072 2019/12/12
すいすい 2019/12/11
だれでもないひと 2019/12/11
nekoneko 2019/12/8
hitoshi 2019/12/6
apobec1 2019/12/4
かなめん 2019/12/3
shhhd 2019/11/28
けい 2019/11/27
mafumi 2019/11/26
eikipuku 2019/11/25
Katayan 2019/11/23
BOS2016 2019/11/23
ks1991 2019/11/21
ひろ 2019/11/14
45 人のユーザが現在オンラインです。 (2 人のユーザが 創薬よ何処へ を参照しています。)
登録ユーザ: 0 ゲスト: 45
BioQuick ニュース

BioQuick Newsは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中の生命科学関連のニュース・トピックスをタイムリーにお届けします。BioQuick Newsは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

抗体よもやま話
質量分析屋のネタ帳
バーチャル展示会