創薬研究の課題とトレンドを語るコラム 「動的ネットワークバイオシステム」 - 創薬よ何処へ

動的ネットワークバイオシステム


トップ  >  動的ネットワークバイオシステム

  著者:   作成:2017/1/12 17:00:09

中山 登

東京大学生産技術研究所の会原幸一先生らは臨床バイオマーカーで正常(健康)状態と異常(疾病)状態の違いを定量的に示すことができるため、癌、心臓病、糖尿病などの診断において広く使われていますが、従来の静的バイオマーカーは、正常状態と疾病の早期状態や病態悪化の初期状態の違いをはっきり識別することが困難(なため)で、疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出をするには有効ではないため、正常状態と病態の臨界状態、病態初期状態あるいは病態悪化の動的状態遷移過程をはっきり識別することが出来る動的ネットワークバイオマーカー(DNB:Dynamical Network Biomarker)を提案しています。


このDNBを複雑疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出に広く適用することで、適切なタイミングで適切な個別化医療を行なうことが可能となるものと期待されます。


前回の西村先生らの肺癌の臨床プロテオーム解析から、24 cancer-related KEGG pathways から得られたLPIA、MIAとAISのSTRING gene set enrichments(GSE)の結果でも、動的ネットワークバイオシステムがどのように病気ステージで変わるかを明らかにしました。更に癌細胞近傍の正常細胞も既に癌細胞特有のバイオシステムが高発現して...

 

続きを読む
ここから先は会員限定のコンテンツです
  •      

この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

投票数:51 平均点:5.88
  • はじめまして。中山登です。
    はじめまして。バイオシス・テクノロジーズの中山登です。 もう中外製薬を退職して2年以上になりますが、未だに「ロシュ・中外の中山さん」とよく言われ、こちらの元の所属の方が皆さん良くご存知のようです。さて…続きを読む  (2016-10-12)  
  • 創薬よ何処へ
    日本ロシュから鎌倉研究所に日本電子の質量分析装置のD-300が納入されるのでその日から出社して欲しいと連絡があり、昭和56年6月にD-300と一緒に入社することになりました。ただ、念願だったFABイ…続きを読む  (2016-11-9)  
  • 医薬品開発の現状と個別化医療とは
    それでは、本題の「創薬よ何処へ」に入りましょう。そこで初めは創薬研究現状と個別化医療などについて少し考えてみたいと思います。 近年創薬の分野は、以前から行われてきた低分子医薬、1990年後半から盛ん…続きを読む  (2016-11-24)  
  • 臨床現場と医薬品開発との間の大きな谷をどうするか?
    前回述べたように現症診断にまだ多くを頼っている臨床の現場と、ゲノムから解析されたバイオメカニズムを用いターゲットを予想して科学的に開発された医薬品の間に、まだまだ大きな谷があって、そこを科学的に結び…続きを読む  (2016-12-7)  
  •   »  動的ネットワークバイオシステム (2017-1-12)

  • 個別化医療と創薬(1)
      久しぶりですが、皆様良いお年をお迎え頂けたでしょうか?  今回は個別化医療と創薬に焦点を絞って話したいと思います。   病気の原因や病態について近年遺伝子やプ…続きを読む  (2018-1-31)  
  • 個別化医療と創薬(2)
    今回は最近盛んになっている抗体や免疫製剤における診断マーカーの重要性について話したいと思います。 例えば夢の抗がん剤と言われた癌免疫治療薬のオブジーボでも、効果のある患者は2~3割であるが、診断…続きを読む  (2018-2-15)  
  • 診断マーカーと医薬品の選択
    実際には遺伝子の変異やプロテインなどの分子の構成や感度のパターンの違いにより様々なタイプの患者がいることが最近わかってきています。そこで、病気に合った遺伝子診断やプロテイン診断などの科学的な診断を臨…続きを読む  (2018-5-17)  
  • プロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が最近話題
    最近、プロテインープロテイン相互作用を阻害する中分子創薬が話題になっていますが、小職のところにも中分子創薬のセミナーをしてくださいとの依頼がありました。そこで、先日「中分子医薬品の基礎/最新動向を踏…続きを読む  (2018-7-3)  
  • 最近の創薬企業の現状と中分子創薬の重要性
     随分、長い間ご無沙汰しておりすみませんでした。昨年に 中分子 創薬が話題になっているので詳しく説明しますと言いました。しかし、最近の日本の創薬企業はここの研究よりも各社の創薬研究の方向性をどの様にす…続きを読む  (2019-3-12)  

おすすめ製品・サービス

    抗体トランスフェクション試薬Ab-Carrierは、生細胞内への抗体導入試薬です。 プロテノバが独自に開発した膜透過性人工ペプチドの機能により、細胞毒性を抑制しつつ簡単に効率良く抗体を導入できます。 Ab-Carrierは、高い膜透過活性とIgG 結合活性を有するので、非常に効率よく種々の動物種やサブクラスのIgGを生細胞に導入できます。もっと読む
    機能性化粧品・医薬外品等に最適な天然物由来の生物活性低分子有機化合物を探索・供給 Greenpharma社(フランス)は、最先端のケモインフォマティクスを駆使したリバース生薬学で天然物由来の生物活性分子を探索し、エビデンスの明確な機能性化粧品・医薬外品等の開発を支援します。 Greenpharma社では、有効成分を含有する天然原料の安定確保を含め、製品開発・生産までトータルにサポートする体制が用意されています。 また既にお持ちの活性分子または天然原料について、in silico活性予測ツールを用いて新しい活用法(効能)をお探しすることも可能です。もっと読む
    細胞本来の生育環境を正確に反映した細胞培養システムAvatarシステムは、細胞の機能・外部特性・内部特性(遺伝子的特性等)を維持したまま培養できる細胞培養システムです。採取された貴重な細胞が正常に増殖し、意味のある結果を導き出すためには本来の状態を維持する環境が必要です。Avatarシステムは、生体内環境状態を再現できる初めての細胞増殖システムです。例えば、圧力と酸素をサンプルの種類に特異的な生体内環境状態に相当したレベルに調整できます。生体内で何が起こっているかを生体外で確認できる最良のシステムです。AvatarシステムはO2、CO2、圧力、温度及び湿度を表示し、各項目はサンプルが生息する本来の状態に合わせて調整できます。このような革新的な機能により、以前は培養できなかったサンプルでも ...もっと読む

創薬よ何処へ:読者コメント

バイオマーケットjpは、ライフサイエンス研究者・バイオビジネス関係者のための会員制サイトです。

ユーザー登録すると...

コンテンツの全文表示・コメント投稿・各種お申し込み・ダウンロード等、

様々なユーザー専用機能をご利用いただくことができます。

 

ユーザー登録は1分で完了

ユーザー登録は無料

サイト運営者

バイオアソシエイツ株式会社

バイオアソシエイツ株式会社
東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー 3F
BioAssociates.co.jp

What We Do

ライフサイエンス事業向け
マーケティングサービスを提供しています


  • マーケティングリサーチ
  • コンサルティング
  • 外部連携支援
  • 科学顧問
  • マーコム