
2018年の第9回Precision Medicine World Conference (PMWC) Silicon Valleyは、1月22日 (月)、カリフォルニア州のマウンテン・ビューにあるComputer History Museumで開かれた。今年のトップ・イベントの一つとされる3日間の大会は1,500人近い参加者を予定しており、350人を超える報告者、参加企業250社、展示も何十という数にのぼる。この大会はTal Beharと夫のGadi Beharが主催している。月曜日の公式開会に先立って日曜日の夜には特別授賞式が開かれ、特に著名な科学者4人に特別な賞が与えられた。PMWC 2018 Luminary Awardは、画期的なCRISPR-Cas9ゲノム編集技術開発を先導したEmmanuelle Charpentier, PhDに贈られた。この賞は、個別化医療の臨床市場への展開を推進した優れた研究者の最新の業績を表彰するものである。PMWC 2018 Pioneer Awardsは、BRCA2遺伝子突然変異を突き止め、乳がんその他のがんのPARP阻害に結びつく共同で発見した一人、Alan Ashworth, PhDに、また、イギリス内外で精密医療を可能にする遺伝子、ゲノム研究活動を主導したオクスフォード大学のProfessor Sir John Bell (写真) に、また、がんの治療に初めてFDAの認可を受けた抗体 (rituximab) を開発したRonald Levy, MDに贈られた。Pioneer Awardsは、個別医療の分野で、技術がまだ進化しておらず、また同僚からも何の励ましもない時期に大きく前進させ、時代を先駆けたごく少数の人々を顕彰している。これまでのPMWC受賞者には、Jennifer Douda、Lee Hood、George Church、Francis Collins各氏の名がある。
PMWC 2018の初日はPrecision Medicineの基幹分野に的を絞って、5種の並行するコースに別れて開かれた。コース1は、「Big Data into the Clinic (大データを臨床現場に)」、コース2は、「Immunotherapy (免疫療法)」、コース3は、「Artificial Intelligence Showcase (人工知能ショーケース)」、コース4は、「Emerging Tech Showcase (先端技術ショーケース)」、コース5は、「Wellness and Aging Showcase (ウェルネスと高齢化のショーケース)」となっている。
開会挨拶
初日は、PMWC共同設立者でPresidentを務めるTal Behar氏の開会挨拶で始まった。Behar氏は、今年のシリコン・バレーでの大会には32か国から出席しており、分野もバイオテック、製薬、ヘルス・テック、医学、規制機関など多岐にわたっていると語った。
挨拶の中で、Behar氏は、今年の会議には、University of California-San Francisco (UCSF)、Stanford Health Care/Stanford Medicine、Duke University、Duke Health、Johns Hopkins University、University of Michiganも共催団体として参加していると語った。 それに続いて、Stanford University Medical CenterのChief of Oncologyを務めるProfessor of MedicineのGeorge Sledge, MDをプログラム議長として紹介した。Dr. Sledgeは、この会議が、学界、業界、政府関係者が膝を交えて話し合うユニークな会議であること、特に遺伝子編集、細胞ベースの治療法、人工知能、機械学習など先進的な分野について話し合う会議であることを強調した。また、過去数年この分野は想像もできないほどの進歩を遂げており、科学界の新星が会議に参加している。会議はまたとない3日間になるはずだ、と語った。
UCSFのExecutive Vice Chancellorであり、Provostも務める癲癇の専門家、Daniel Lowenstein, MDが進み出て、共催のUCSFを代表し、さらに医師として、また何度も表彰を受けている教官としての立場から簡単な挨拶を述べた。彼は、...