バイオ研究者向けLC-MS講座 「MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語 その3」 - 質量分析屋のネタ帳

MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語 その3


トップ  >  MSMS(タンデム質量分析)の動作や用語 その3

  著者:   作成:2021/4/16 8:00:09

質量分析屋の髙橋です。

今回は、MS/MS(タンデム質量分析)の動作や用語その3、プリカーサーイオンスキャンについてです。プリカーサーイオンスキャンは、特定のプロダクトイオンを生成するプリカーサーイオンを検出するMS/MSの測定法です。

 

タンデム質量分析には、空間的タンデム質量分析と時間的タンデム質量分析があります。それぞれの方法に対応する装置として、前者はQqQ, QTOF, Q-Orbitrap、4セクターなど、後者はQITやFTICRなどがあります。今回のテーマであるプリカーサーイオンスキャンは、空間的タンデム質量分析で且つ、MS1, MS2共に電圧走査型の装置でのみ実施可能です。先に挙げた中では、QqQと4セクターが相当します。QqQを例に動作を説明します。

 


 

MS2は特定のm/zのイオンのみが通過できるように電圧を固定します。つまり、SIMの状態に設定します。そして、MS1はスキャンモードで動作させます。MS1は、設定したm/z範囲のイオンが小さい方から順番に全て通過し、qでCIDによって開裂してプロダクトイ...

 

続きを読む
ここから先は会員限定のコンテンツです
  •      

この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

投票数:11 平均点:5.45
  • 自己紹介
    はじめまして。質量分析屋こと、エムエス・ソリューションズの髙橋 豊です。 このコーナーで、バイオ研究者向けの LC-MS に関する話題を提供していくことになりました。私が 質量分析 ( mass…続きを読む  (2016-4-19)  
  • 質量分析計におけるキャリブレーションの重要性
    こんにちは。質量分析屋の高橋です! 初回は、 質量分析計 (MS装置)における キャリブレーション の話です。 MS装置の キャリブレーション とは、MSで得られるマススペクトルの横軸…続きを読む  (2016-5-18)  
  • マススペクトルから何がわかる?
    マススペクトル は質量分析によって得られる最も基本的なデータであり、縦軸を信号強度、横軸を m/z で表した二次元表示です( mとz はそれぞれイタリック体で表記)。 ここで、 m はイオンの…続きを読む  (2016-6-1)  
  • m/z とは?
    こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。 第一回目、第二回目共に、 マススペクトル の横軸である m/z について触れています。今回は、このことについて、もう少し掘り下げて考えてみます。 日本質量…続きを読む  (2016-6-15)  
  • MSで得られる質量情報について
    こんにちは。質量分析屋の高橋です。二回目の「 マススペクトル から何がわかる?」で、“質量分析では分子の質量情報が得られる”と書きました。 “質量分析で得られるのは分子量情報ではないのか?”と思…続きを読む  (2016-7-6)  

おすすめ製品・サービス

    構造多様な480の生物活性低分子有機化合物を厳選/機能性化粧品・医薬外品向けバルク供給も可能 Greenpharma天然有機化合物ライブラリーは、Greenpharma社のケモインフォマティクス・医薬品化学・生薬学の専門知識を駆使して作製された、多様で純粋な天然物由来の低分子有機化合物ライブラリーです。 Greenpharma社が保有するデータベースには、約15万種の天然有機化合物の構造が集積されており、化学的に多様な生物活性化合物のサブセットを選抜しました。 この中には、アミノ酸、ペプチド、核酸、長鎖脂肪、金属は含まれていません。より多くの異なるフィトケミカルファミリーが含まれるように厳選されています。もっと読む
    化学的に多様な骨格のヒト内在性リガンドが400化合物含まれたライブラリ  Greenpharmaヒト内在性リガンドライブラリは、オーファン受容体の研究におけるリガンド探索や、新しい疾患代謝経路の解明に有用です。 ドラッグディスカバリーでは強いアフィニティー分子の中からヒットを選ぶので後のオプティマイズや工夫が困難であったり、他社と似通った化合物やターゲットでHTS(High Throughput Screening)を行うのでヒット率の低さが課題となっています。 Greenpharmaヒト内在性リガンドライブラリを用いれば、程良いアフィニティー(10nM - 1μM)で且つ化学的に多様な骨格の、毒性の無いオプティマイズ可能な新規リード分子の探索が可能です。 弊社専門家集団(生物学者、薬理学者、メディシナルケミストら)がバリデートした、無毒性でオプ ...もっと読む
    nano ESI LC-MS/MSシステムによる膜蛋白質プロテオーム解析 SDSは強力な可溶化方法であるが、LC/MSによる解析の場合、サンプル中のSDSの存在は障壁となり除去しなくてはなりませんが微量サンプルのロスなくSDSを除去するには高度なテクニックが必要になります。 弊社の膜蛋白質前処理法(MEMTECH)では5%の高濃度SDSをLysate Bufferとして細胞中に存在する全てのタンパク質の可溶化を行い、可溶化されたすべての蛋白質は消化酵素によってペプチド断片となり高感度LC/MSで解析を行います。 トリプシン消化の場合、47℃、1時間で酵素消化が完了します。MEMTECHではシングルチューブにより目的サンプルのロスなく、SDSを完璧に取り除くことが可能な膜蛋白質前処理技術です。 もっと読む

バイオマーケットjpは、ライフサイエンス研究者・バイオビジネス関係者のための会員制サイトです。

ユーザー登録すると...

コンテンツの全文表示・コメント投稿・各種お申し込み・ダウンロード等、

様々なユーザー専用機能をご利用いただくことができます。

 

ユーザー登録は1分で完了

ユーザー登録は無料

サイト運営者

バイオアソシエイツ株式会社

バイオアソシエイツ株式会社
東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー 3F
BioAssociates.co.jp

What We Do

ライフサイエンス事業向け
マーケティングサービスを提供しています


  • マーケティングリサーチ
  • コンサルティング
  • 外部連携支援
  • 科学顧問
  • マーコム