バイオ研究者向けLC-MS講座 「プロトン移動を伴うイオン化におけるイオン化抑制現象」 - 質量分析屋のネタ帳

プロトン移動を伴うイオン化におけるイオン化抑制現象


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  著者:   作成:2021/5/17 8:00:13

質量分析屋の髙橋です。

以前の投稿で、エレクトロスプレーイオン化(ESI)において起こるイオン化抑制について解説しました。


ESIで他のイオン化法に比べてイオン化抑制が顕著に起こるのは、エネルギー供給が絶たれた帯電液滴からのイオン生成プロセスに原因の一旦があります。その解説の第二段を書くのを忘れていたのですが、その前に、ESI以外にもイオン化抑制現象が見られるイオン化がありますので、その事について書いておこうと思います。  


それは、プロトン移動を伴うイオン化に共通して起こると考えられます。具体的には、化学イオン化(chemical ionization, CI)、高速原子衝撃(fast atom bombardment, FAB)イオン化、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix assisted laser desorption / ionization, MALDI)、大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionization, APCI)などで起こり得ます。


それは、プロトン移動を伴うイオン化においては、プロトン親和力が支配的だからです。  


上で挙げたイオン化(正イオン検出)において、分析種(A)と夾雑成分(M)が共存していて、Mのプロトン親和力がAより...

 

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