バイオ研究者向けLC-MS講座 「質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:CI編」 - 質量分析屋のネタ帳

質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:CI編


トップ  >  質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:CI編

  著者:  作成:2017/6/21 10:32:12

こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。  質量分析計による測定の基本は、第一に化合物に適したイオン化を選択することです。もちろん、全てのイオン化が可能な質量分析計を所有しているケースは少ないので、選択すると言っても限界があるのが実態だと思います。それでも、イオン化の特徴と使用する際の注意点はしっかりと理解しておく必要があると思います。  


前回は、電子イオン化(electron ionization, EI)について解説しました。GC/MSで標準的に使われるイオン化ですから、GC/MSと言えば先ずはEI! とりあえずそれ以外の選択肢はありませんが、問題はマススペクトルの解釈です。GC/MSでは注入口での、直接導入法では加熱気化段階での、試料分子の熱分解の可能性を考慮する必要があります。また、熱分解することなく気化したとして、イオン化の際に分子イオン(M+・)が生成せず、フラグメントイオンのみが生成する可能性があることを常に考える必要があります。    


試料分子が熱分解せずに気化したとして、EIでのイオン化過程においてフラグメントイオンのみが生成している可能性を否定できず、分子質量を知る必要がある場合、EIの代わりに化学イオン...

 

続きを読む
ログインしてください

    この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
    このエントリーをはてなブックマークに追加

    « 質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:FD編
    質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:EI編 »



    友達にメールで勧める友達に伝える

    投票数:34平均点:3.24

    おすすめ製品・サービス

    フルスペクトル分子イメージング
    MALDI、DESI、イオンモビリティー、高分解能質量分析を融合した高精度・高空間分解能分子イメージング 生理学と細胞機能をより理解し、組織または生体全体における薬剤の分布をモニター、可視化する目的で、ウォーターズでは、MALDI、DESI、イオンモビリティー、高分解能質量分析の技術の長所を融合しました。 空間分解能に優れ、質量分析イメージングとして実績の高いマトリックス支援レーザー脱離イオン化によるMALDIイメージング。マトリックスの塗布が不要で、同一のサンプルを異なる空間分解能や異なる極性で複数回測定が可能な脱離エレクトロスプレーイオン化によるDESIイメージング。 さらに独自のイオンモビリティー分離により選択性、同定信頼性を向上させる質量分析計と、質量分析イメージングのワークフローをすべて ...
    iKnifeサンプリング機能搭載REIMS研究システム
    食品偽装、微生物学、組織学など、サンプルの素材・差異をダイレクトイオン化精密質量分析で瞬時に判断 iKnifeサンプリング機能搭載REIMS研究システムは高性能飛行時間型(Tof)質量分析計と強力で直感的なソフトウェア、ダイレクトイオン化を組み合わせることで、前処理が不要で迅速かつ容易な分子プロファイリングを可能としました。 この革新的な iKnife はハンドヘルドサンプリング装置で、情報を豊富に含んだ蒸気をサンプルの表面から直接生成します。この蒸気が飛行時間型質量分析計により分析され、数秒で正確な分子プロファイリングが得られます。
    SKi Pro System LC/MS接続可能な生体分子間相互作用解析装置
    質量分析装置とのインテグレーションにより相互作用分子の同定をも可能にする画期的な生体分子相互作用解析システムSilicon Kinetics社の開発したSKi Pro Systemは、LC/MS(質量分析計)に接続できる生体分子間相互作用解析装置です。 アフィニティの弱い低分子からアフィニティの強い抗体まで幅広いアフィニティレンジを網羅的に解析することが可能です。SKi Pro Systemは、通常の表面プラズモン共鳴(SPR)法で用いられる平坦な表面のセンサーとは異なり、三次元構造のナノポアを有するシリコンチップ(3Dシリコンセンサーチップ)により、従来のSPR法より100倍以上広い分子結合面積を創り出すことに成功しました。またNanoPore Optical Interferometry(干渉分光法)を用いることで、ベースラインドリフトが僅か0.35RU/hと従来のSPR法に比べ極めて安定 ...
    • 自己紹介
      はじめまして。質量分析屋こと、エムエス・ソリューションズの髙橋 豊です。このコーナーで、バイオ研究者向けの LC-MS に関する話題を提供していくことになりました。 私が 質量分析 ( mass sp…続きを読む (2016-4-19)  
    • 質量分析計におけるキャリブレーションの重要性
      こんにちは。質量分析屋の高橋です! 初回は、 質量分析計 (MS装置)における キャリブレーション の話です。 MS装置の キャリブレーション とは、MSで得られるマススペクトルの横軸…続きを読む (2016-5-18)  
    • マススペクトルから何がわかる?
      マススペクトルは質量分析によって得られる最も基本的なデータであり、縦軸を信号強度、横軸を m/z で表した二次元表示です( mとz はそれぞれイタリック体で表記)。 ここで、 m はイオンの質量…続きを読む (2016-6-1)  
    • m/z とは?
      こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。 第一回目、第二回目共に、マススペクトルの横軸である m/z について触れています。今回は、このことについて、もう少し掘り下げて考えてみます。 日本質量分析…続きを読む (2016-6-15)  
    • MSで得られる質量情報について
      こんにちは。質量分析屋の高橋です。二回目の「マススペクトルから何がわかる?」で、“質量分析では分子の質量情報が得られる”と書きました。 “質量分析で得られるのは分子量情報ではないのか?”と思われ…続きを読む (2016-7-6)  

    おすすめ製品・サービス

    GlycoWorks RapiFluor-MS N型糖鎖解析キット
    糖タンパク質N型糖鎖解析を飛躍的に効率化する革新的新ソリューション誕生! 糖タンパク質N型糖鎖の切り出し~標識~精製をたった3つのステップで30分以内で行うためのキットです。キットには酵素、標識試薬、精製用HILICプレートとバッファー類他96サンプルの処理に必要な主要構成品が含まれています。
    ラット・マウス等、幅広い生物種の抗体精製に。Ab-Capcher
    Ab-Capcherは、従来の抗体精製プロテインAゲルでは限定された適応抗体生物種やプロテインGゲルの結合量の低さと言った問題点を一挙に解決した高性能プロテインA アガロースビーズ(ゲルカラム担体)です。 特にこれまで研究者のご不満の多かったラットやマウスのモノクローナル抗体も簡単・高純度に精製できます。
    Greenpharma 天然有機化合物ライブラリー
    構造多様な480の生物活性低分子有機化合物を厳選/機能性化粧品・医薬外品向けバルク供給も可能 Greenpharma天然有機化合物ライブラリーは、Greenpharma社のケモインフォマティクス・医薬品化学・生薬学の専門知識を駆使して作製された、多様で純粋な天然物由来の低分子有機化合物ライブラリーです。 Greenpharma社が保有するデータベースには、約15万種の天然有機化合物の構造が集積されており、化学的に多様な生物活性化合物のサブセットを選抜しました。 この中には、アミノ酸、ペプチド、核酸、長鎖脂肪、金属は含まれていません。より多くの異なるフィトケミカルファミリーが含まれるように厳選されています。
    運営会社:バイオアソシエイツ株式会社

    バイオマーケットjpは、ライフサイエンス研究者・バイオビジネス関係者のための会員制サイトです。

    ユーザー登録すると...

    コンテンツの全文表示・コメント投稿・各種お申し込み・ダウンロード等、

    様々なユーザー専用機能をご利用いただくことができます。

     

    ユーザー登録は1分で完了

    ユーザー登録は無料

    運営者:バイオアソシエイツ株式会社

    質量分析屋のネタ帳
    • 髙橋 豊
      質量分析に関する技術コンサルティングを提供するエムエス・ソリューションズ株式会社 髙橋 豊 氏によるLC-MS講座です。 バイオ研究者向けにLC-MSに関する様々な話題やLC-MSの操作で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。

    にほんブログ村 科学ブログ 生命科学へ
      登録ユーザー数
      3120人
      2019年01月16日 現在
      新メンバー
      ビリジェ 2019/1/16
      hosap 2019/1/15
      きょ 2019/1/13
      koyo yam 2019/1/13
      bu2-gin 2019/1/10
      くっすん 2019/1/10
      sho-ken 2019/1/9
      ねこじゃらし 2019/1/8
      14 人のユーザが現在オンラインです。 (2 人のユーザが 質量分析屋のネタ帳 を参照しています。)
      登録ユーザ: 0 ゲスト: 14
      BioQuick ニュース

      BioQuick Newsは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中の生命科学関連のニュース・トピックスをタイムリーにお届けします。BioQuick Newsは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
      BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

      抗体よもやま話
      創薬よ何処へ

       

      クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
      バイオマーケットjpのコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。引用される場合は出典元リンクの記載をお願いします。