バイオ研究者向けLC-MS講座 「質量分解能と分子の質量・分子量の関係」 - 質量分析屋のネタ帳

質量分解能と分子の質量・分子量の関係


トップ  >  質量分解能と分子の質量・分子量の関係

  著者:  作成:2016/7/21 17:00:48

こんにちは! 質量分析屋の高橋です。前回、マススペクトルから得られるのは、基本的には分子の質量情報であって分子量情報ではないことを解説しました。今回は、マススペクトルから分子量情報が得られる場合もあることを、質量分解能(mass resolving power)との関係において解説します。


質量分析計(MS装置)の最も重要な性能の一つが“質量分解能”です。質量分解能は、日本質量分析学会のマススペクトロメトリー関係用語集1)では、以下のように定義されています。


“ある特定の質量分解度(mass resolution)の値を得ることができる質量分析計の能力” また、質量分解度は以下のように定義されています。 “あるマススペクトルについて、観測されたピークのm/zの値を、スペクトル上でこのピークと分離されて観測される(仮想的な)ピークのm/z値との差の最小値Δ(m/z)で割った値;(m/z)/ Δ(m/z)


質量分解能および質量分解度を表示する際は、その値を求めるのに用いたm/zの計測値と、Δ(m/z)の決め方を示す必要があります。Δ(m/z)は通常、ピークの高さに対する一定の割合の高さで求めたピーク幅とし、その際のピークの高さに対...

 

続きを読む
ログインしてください
  •      

この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

投票数:58平均点:5.69
  • 自己紹介
    はじめまして。質量分析屋こと、エムエス・ソリューションズの髙橋 豊です。このコーナーで、バイオ研究者向けの LC-MS に関する話題を提供していくことになりました。 私が 質量分析 ( mass sp…続きを読む (2016-4-19)  
  • 質量分析計におけるキャリブレーションの重要性
    こんにちは。質量分析屋の高橋です! 初回は、 質量分析計 (MS装置)における キャリブレーション の話です。 MS装置の キャリブレーション とは、MSで得られるマススペクトルの横軸…続きを読む (2016-5-18)  
  • マススペクトルから何がわかる?
    マススペクトルは質量分析によって得られる最も基本的なデータであり、縦軸を信号強度、横軸を m/z で表した二次元表示です( mとz はそれぞれイタリック体で表記)。 ここで、 m はイオンの質量…続きを読む (2016-6-1)  
  • m/z とは?
    こんにちは! 質量分析屋の髙橋です。 第一回目、第二回目共に、マススペクトルの横軸である m/z について触れています。今回は、このことについて、もう少し掘り下げて考えてみます。 日本質量分析…続きを読む (2016-6-15)  
  • MSで得られる質量情報について
    こんにちは。質量分析屋の高橋です。二回目の「マススペクトルから何がわかる?」で、“質量分析では分子の質量情報が得られる”と書きました。 “質量分析で得られるのは分子量情報ではないのか?”と思われ…続きを読む (2016-7-6)  

おすすめ製品・サービス

全てを1本のチューブで行う、シンプルかつ迅速なワークフローを実現 Enzymatics社の5x WGS (Whole Genome Sequencing; 全ゲノムシーケンス) ライブラリ調製アッセイでは、次世代シーケンス用ライブラリ調製の全ての工程 (断片化を含む) を1本のチューブで行うことができます。 自在にサイズ調節可能な酵素ベースの断片化と、シンプルで迅速なワークフローにより、Illumina社の次世代シーケンサーで直ちにシーケンス可能な高品質ライブラリを2.5時間以内に調製できます。 高効率な断片化とライゲーション試薬、さらに最適化されたPCR試薬を組み合わせることで*、5x WGSライブラリ調製アッセイは、 次世代シーケンス用ライブラリ調製における品質、スピードおよび処理能力という課題に対する唯一の解決策となり得ます。 *PCRフリーも可能ですもっと読む
高吸着能ゲルを充填したReady to useの使い捨て抗体精製カラム&バッファーキット。 低価格・簡単・スピーディー。 ラット・マウス・ウサギ等、様々な抗体精製にお薦めします。もっと読む
測定から意思決定までをわずか数秒で実現! 製品の偽装や不良品・劣化品との差異解析はメーカーにとって大きな課題です。しかし、従来の技術ではサンプル前処理と分析、データの解釈に時間がかかるため、分析者の大きな負担となっていました。 DART QDa with LiveIDシステムは、下記の組み合わせによって、これらの課題に対するソリューションを提供します。 ①堅牢で信頼性が高く、操作も簡単なACQUITY QDa検出器 ②サンプル前処理を最小限に抑え、クロマトグラフィーによる分離を必要とせずに、さまざまなサンプルに対応可能なダイレクトかつ迅速な分析手法を実現するIonSense社のDARTイオン源 ③得られたデータから多変量解析によって結果を得て、迅速なリアルタイムサンプル分類をユーザーへ提供するLiveIDソフトウェアもっと読む

バイオマーケットjpは、ライフサイエンス研究者・バイオビジネス関係者のための会員制サイトです。

ユーザー登録すると...

コンテンツの全文表示・コメント投稿・各種お申し込み・ダウンロード等、

様々なユーザー専用機能をご利用いただくことができます。

 

ユーザー登録は1分で完了

ユーザー登録は無料

運営者:バイオアソシエイツ株式会社

運営会社:バイオアソシエイツ株式会社
質量分析屋のネタ帳
  • 髙橋 豊
    質量分析に関する技術コンサルティングを提供するエムエス・ソリューションズ株式会社 髙橋 豊 氏によるLC-MS講座です。 バイオ研究者向けにLC-MSに関する様々な話題やLC-MSの操作で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。

にほんブログ村 科学ブログ 生命科学へ

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
バイオマーケットjpのコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。引用される場合は出典元リンクの記載をお願いします。

  •      

登録ユーザー数
3341人
2019年11月19日 現在
新メンバー
ひろ 2019/11/14
すなねずみ 2019/11/12
ryuusei 2019/11/12
mommy 2019/11/12
akitsu-n 2019/11/11
Kunio 2019/11/8
kmatsu 2019/11/7
itohhh 2019/11/7
sugiyann 2019/11/6
daisuke 2019/11/6
mille 2019/11/5
Pengust 2019/11/1
c710082 2019/10/28
madosuke 2019/10/28
伏見良治 2019/10/28
20 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが 質量分析屋のネタ帳 を参照しています。)
登録ユーザ: 0 ゲスト: 20
BioQuick ニュース

BioQuick Newsは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中の生命科学関連のニュース・トピックスをタイムリーにお届けします。BioQuick Newsは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

抗体よもやま話
創薬よ何処へ
バーチャル展示会