バイオ研究者向けLC-MS講座 「MSで得られる質量情報について」 - 質量分析屋のネタ帳

MSで得られる質量情報について


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  著者:   作成:2016/7/6 17:00:07

こんにちは。質量分析屋の高橋です。二回目の「マススペクトルから何がわかる?」で、“質量分析では分子の質量情報が得られる”と書きました。


“質量分析で得られるのは分子量情報ではないのか?”と思われる方がいると思うので、“分子の質量”と“分子量”の違いについて確認してみたいと思います。


有機化合物を構成する炭素、水素、窒素、酸素などの元素を含め、多くの元素には同位体が存在します。同位体が存在する各元素において、天然存在比が最も大きな同位体を“主同位体”と呼びます。炭素、水素、窒素、酸素については、主同位体はそれぞれ、12C, 1H, 14N, 16Oです。分子を構成する元素の同位体を区別して、分子の質量を計算したものが“分子の質量”です。 例えば、ペプチドの一種であるアンギオテンシン-Ⅰの分子式はC62H89N17O14であり、各元素の主同位体の質量の合計は1295.6775となります。この、主同位体の質量を用いて計算した分子の質量を、モノアイソトピック質量と言います。 分子量は、正確には相対分子質量と言います。


すなわち、分子を構成する各元素について、全ての...

 

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