抗体書籍の著者による抗体基礎知識 「抗体づくりのトラブル談 その3 配列特異性は OK と思ったが」 - 抗体よもやま話

抗体づくりのトラブル談 その3 配列特異性は OK と思ったが


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  著者:   作成:2020/1/9 9:30:01

大海 忍

 以前、「抗体をつくるならば C 末端を狙うべし」と書きました。少し復習すると、折れ畳まってコンパクトな形をつくっているたんぱく質において、末端領域は比較的ふらふらしていることが多いです。すなわち、分子の外側に出ている可能性が高いので、抗体に捕捉されやすいのです。もちろん、両末端以外のポリペプチド鎖内部領域でも分子の表面に位置して抗原性の高いところはありますが、配列のどこからどこまでを免疫原のペプチドに選ぶか迷うこともあります。このような理由で、末端領域が抗原ペプチドとして推奨されるのです。しかし、N末端領域は、プロセッシングされて短くなっていたり、末端メチオニンあるいは次のアミノ酸がアシル化されていたりと、修飾されていることがよくあります。もちろん、C末端付近が翻訳後修飾されることもありますが、N 末端と比較すれば稀です。したがって、C 末端領域がお奨めと言ったわけです。そして、少々長めにペプチドを合成しても使える抗体が得やすいということもあります。それでも抗体が上手くできないことがあるという話を今回はします。

 私は大学院の途中から、カルパインの研究に関わりました。カルパインは、カルシ...

 

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