免疫学的測定法の交代は200億ドル市場


Hartは、「業界の議論や活動は免疫学的測定法を質量分析法に切り替えていくことに集中している。特に免疫学測定法が苦手とするようなサンプル測定の分野で盛んだ。また、市場報告では免疫学的測定市場は約200億ドルと見積もられている」と、ProteoMonitorに語っている。
さらに、「従って、質量分析計が免疫学的測定が苦手な検査の分野だけでも取って代わることができれば大きな事業機会だ」と付け加えている。


ProteoMonitorは、「このような変化はある程度まですでに始まっている。Quest Diagnostics、ARUP、Mayo Medical Laboratoriesなどの企業が甲状腺がんマーカー、Tgの測定で、自己抗体のために一般的な免疫学的測定が無効な場合に質量分析を用いるようになってきている。
研究専用機種から臨床市場機種まで Hartは、ProteoMonitorに対して、「ほとんどのClass I質量分析計は基本的に当社の研究専用機種 (RUO) と同等の機能だが、Thermo Fisher製品群は特に臨床市場をターゲットにしている」と語っている。
このことは、Prelude HPLCについていえば、メンテナンスを簡略化し、単純化と強靱化を図るシリンジ・ポンプの採用などの特徴を備えているが、質量分析の分野ではEndura MD はRUOバージョンに比べるとその機能は限られている。
Hartは、「ユーザー・インターフェースも機能選択もすべて臨床検査室での定量化作業を念頭に単純化が図られている。RUOバージョンに比べると盛りだくさんの機能やツールは隠されているか、完全に削除されている」と述べている。
「同じように、ClinQuan MD ソフトウエアも臨床定量化作業をできる限り単純化するように設計されている」と述べている。このソフトウエアは、directors、managers、techniciansと3段階のアクセス許可を特徴としている。
Hartは、ProteoMonitorに対して、「Orbitrap Fusion のような発見専用の最高機種を除き、当社の生命科学質量分析機器製品すべてが将来的に機器登録の候補になる」と語っている。
同社の製品は過去に1機種が臨床ツールと名指されたことがある。Q Exactive がそれで、高解像度質量分析を用いたターゲット・タンパク質の定量化を考える研究者に人気があった。
「将来的にQ Exactive をFDAに登録するつもりではないのか」という質問にHartは直接答えなかったが、高解像度機器はターゲット定量化の分野で人気の高い技術であり、トリプル四重極の分野で普及するのではないかと語った。

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Edited by Michael D. O'Neill

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