
東京大学生産技術研究所の会原幸一先生らは臨床バイオマーカーで正常(健康)状態と異常(疾病)状態の違いを定量的に示すことができるため、癌、心臓病、糖尿病などの診断において広く使われていますが、従来の静的バイオマーカーは、正常状態と疾病の早期状態や病態悪化の初期状態の違いをはっきり識別することが困難(なため)で、疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出をするには有効ではないため、正常状態と病態の臨界状態、病態初期状態あるいは病態悪化の動的状態遷移過程をはっきり識別することが出来る動的ネットワークバイオマーカー(DNB:Dynamical Network Biomarker)を提案しています。
このDNBを複雑疾病の早期診断や病態悪化の予兆検出に広く適用することで、適切なタイミングで適切な個別化医療を行なうことが可能となるものと期待されます。
前回の西村先生らの肺癌の臨床プロテオーム解析から、24 cancer-related KEGG pathways から得られたLPIA、MIAとAISのSTRING gene set enrichments(GSE)の結果でも、動的ネットワークバイオシステムがどのように病気ステージで変わるかを明らかにしました。更に癌細胞近傍の正常細胞も既に癌細胞特有のバイオシステムが高発現して...
