
有毒な刺激によるBBB侵害は、単球と白血球の脳内への移動に関連している、と博士は述べた。Buch博士は、3種類の細胞型が血液脳関門(BBB)の鍵であることを報告した。これらは、内皮細胞、星状細胞、および周皮細胞である。星状細胞と周皮細胞間のクロストークは、BBBの統合性にとって重要であるという。周皮細胞がBBBを調節し、モルヒネがBBBの周皮細胞のカバレッジを低下させ、認知障害の抗神経炎症を引き起こすのだと博士は述べた。モルヒネに曝露された星状細胞がBBBで周皮細胞を調節するメカニズムの原理は未だ解明されていない。
これまで、彼女のグループは、SIVに感染したモルヒネ依存性マカクザルのCNSにおいて無調整マイクロRNA(miR)の配列を幅広く同定してきた。さらに、彼女のグループは、モルヒネおよびHIV Tatタンパク質に曝露された星状細胞から放出されたEVがmiRNAをシャトル移送することによってニューロンに取り込まれ、ニューロンの機能不全を引き起こすことをインビトロで示した。ここで、Buch博士は、BBBでの周皮細胞の喪失を媒介する際にモルヒネ曝露された星状細胞から放出されるmiRの役割を調べた本研究の結果を報告した。結果は、星状細胞のモルヒネへの曝露が、EVにおけるmiR-23の発現および分泌を誘導することが判明した。これが周皮細胞によって吸収されることで周皮細胞移動を誘発することが実証されたのだ。さらに、このグループは、周皮細胞におけるPTENをmiR-23のターゲットとして同定し、モルヒネ処理の施された星状細胞EVに曝露された周皮細胞においてPTENが下方制御されることを示した。結論としてBuch博士は、最近の研究結果によれば、モルヒネを介した脳におけるmiRNA発現の調節不全は、EVを介した細胞間の伝達を伴い、BBBでの周皮細胞の喪失をもたらすことを示しているという。

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