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シリコン・バレーで開かれた今年のPrecision Medicine World Conference (PMWC) 2017では、バイオテック専門家1,300人、後援企業40社、出展企業30社などが全世界から参加し、何人もの斯界のリーダーがプレゼンテーションを行った。この会議は、Stanford Health Care、Intermountain Precision Genomics、University of California-San Francisco (UCSF)、Duke University School of Medicineが共同後援団体を務めた。

150人を超える部会発言者には、University of Texas (UT) MD Anderson Cancer Center, Immunotherapy ProgramのExecutive Directorを務めるJames Allison, Ph.D.、Providence St. Joseph HealthのChief Science Officerを務めるLeroy Hood, M.D., Ph.D.、中国のBGI (Beijing Genomics Institute) のGlobal Head of R&Dを務めるYiwu He, Ph.D.、BGI company, Complete GenomicsのChief Science Officerを務めるRade Drmanac, Ph.D.、Stanford School of Medicine, Institute of Stem Cell Biology & Regenerative MedicineのDirectorを務めるIrv Weissman, M.D.、University of California-BerkeleyのProfessor of Chemistry & Molecular & Cell Biologyを務めるJennifer Doudha, Ph.D.、音波液体ハンドリング企業、LabcyteのMark Fischer-Colbrie President兼CEOらの名前もあった。

まる3日間の刺激あふれる部会においては、がん免疫療法、科学的ウエルネス、液体生検バイオマーカー腸メタボロームゲノムシーケンシング、ビッグデータからの知識、音波を用いた精密リキッドハンドリングCRISPR-Cas9遺伝子編集の威力などが関心を集めていた。月曜日朝早い部会では、Dr. Allisonが、長らく謎に包まれていたT細胞受容体の同定から、T細胞の活動を促進するCD28分子、T細胞の活動を抑制するCTLA-4分子の同定まで過去30年間にわたる研究について語った。このCTLA-4の発見は、CTLA-4を標的とすることで、T細胞の抑制を取り除き、強力な免疫反応を助ける抗体のイピリムマブIpilimumab)の開発に結びつき、皮膚がんその他のがんの治療でその効果が示された。この研究は、T細胞増殖を阻害するいわゆる「免疫チェックポイント阻害」を取り除き、がんに対する効果的な免疫反応を刺激するという手法を基礎とするがん免疫療法の根本的な変革を助けることになった。科学雑誌は、「がん免疫療法」を「2013年最大のブレークスルー」に選んでいる。Dr. Allisonは、「最近の研究では、T細胞の活性を回復する上でPD-1分子阻害の有効性が示された。また、抗CTLA-4と抗PD-1を組み合わせた療法はいずれかを単独で用いるより優れた治療効果がある」という証拠を挙げている。

臨床医学において巨大な可能性を秘め、今まさに世界中から注目を集めているものがある。エクソソームだ。2014年10月31日に米国カリフォルニア州にて開催されたASEMV(American Society for Exosomes and Microvesicles:米国エクソソーム・マイクロ小胞協会)ミーティングには、最新の研究や技術を議論するため、200人以上もの研究者やベテランの営業担当者が集まった。

今回で4回目となる今ミーティングはスティーブン・ゴールド教授(ジョン・ホプキンズ大学医学部;ASEMV代表)とダグラス・テイラー氏(ルイスヴィル大学元教授;ASEMV役員;Exosome Science Inc社CSO)によってアシロマ・カンファレンスグラウンズにて開催された。

ミーティングではプレゼンテーションが約70件、ポスターが約80件提示され、ガン細胞からエクソソームを作成する件やエクソソーム分子をガンの診断および治療をモニターするバイオマーカーとして活用する件など、様々なエクソソーム関連の発表が行われた。これらによると、エクソソームの活用はガンだけに留まらず、デング熱やクローン病、心臓疾患、結核、アルツハイマー病などの神経疾患、そしてプリオンによって誘発されるクロイツフェルト・ヤコブ病など幅広い分野での活用が見込める。

エクソソームの分離や特異的な活用技術についても議論された。既に使用されているものから開発途中のものまで様々な技術を活用する方法があるそうだ。また、これらの技術を使って分子解析も可能となる。さらに、これらの方法を標準化することの重要性についても討論が行われた。研究所間で結果を比較出来るようにするためだ。

バイオテクノロジー系会社や製造会社によるブースも設置されていた。System Bioscience Inc(カリフォルニア州マウンテンビュー)、 Maverix Biomics (カリフォルニア州サン・マテオ)、JSR Micro Life Sciences Materials Innovation (カリフォルニア州サニーベール)、QIAGEN (本拠地はネザーランドだがカリフォルニア州レッドウッド市内および世界中にオ フィスを持つ)、Thermo Fisher ScientificブランドのLife Technologies (カリフォルニア州カールスバッド)、 Exosome Diagnostics Inc (マサチューセッツ州ケンブリッジ)、Makvern Instruments (UKウォルセスター)、iZON Sciences Ltd (UKオックスフォード)、CARIS Life Sciences (テキサス州ダラスフォート・ウォース)、Particle Metrix (ドイツ)、 HansaBioMed (エストニア、タリン)、PMDx(Precision Molecular Diagnostics) (フロリダ州タンパ、モフィットガンセンター)、AG Scientific (カリフォルニア州サンディエゴ)、UNIFlow by UNIConnect (ユタ、ソルトレイク)、そしてCedarlane Corporation (カナダ、バーリントン・オンタリオおよびNCバーリントンにメイン・オフィスがある)などが参加していた。

スタンフォードやUCSF、UC-Berkeleyなど米国内からの参加は勿論、研究者は世界中から集まった。ニュージーランド、タイ、韓国、日本、ブラジル、スイス、ドイツ、UK、そしてフィンランド、と様々な国の研究者が参加した。UKからの参加者の中にはサウジアラビアやシベリアからの移民も2人いた。

本レポートではまずエクソソームについての説明後、計4日間に及んだミーティングから選りすぐりの研究について解説する。

(2015.1.26より記事を公開)

2014年10月18日から22日にかけて、カリフォルニア州サンディエゴで開かれた米国人類遺伝学会 (American Society of Human Genetics :ASHG) 2014年度年会には、アメリカ国内国外から6,000人を越える遺伝学者や医師が出席した。この会議は今年で64回目を迎え、毎回様々な重要な行事が催された。

「私たちの生きる時代」

ことしの年会は10月18日 (土) の夕刻から、ASHGの会長、Cynthia Morton, Ph.D.の歓迎の挨拶で始まった。Dr. Mortonは、Harvard Medical School, Obstetrics, Gynecology, Reproductive BiologyのWillliam Lambert Richardson ProfessorとPathology ProfessorおよびBrigham and Women’s HospitalのCytogenetics Directorを兼任している。

Dr. Mortonは、「この会議のために私の選んだテーマは、『私たちの生きる時代』 だ。過去35年間、私は人間としてまた遺伝医学者としての経歴を積む幸運に恵まれていた。皆さんの前で断言できることだが、この35年間、毎年、何らかの重要な発見があったが、ヒト・ゲノムの研究が人間の健康と医療に深く影響を与えることが今ほど明確になったことはこれまでになかった。そのことを視野に入れて考えれば、これは非常な栄誉であり、責任でもある。今私たちが選ぶ道は将来において人類の継承する遺産となることだろう。人類遺伝学にとってこれはまぎれもなく『私たちの生きる時代』だ」と語った。




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